劇場公開日 1961年10月

夜と霧のレビュー・感想・評価

全11件を表示

カポが、親衛隊が、密告者が、 あなたの隣にもいるかもしれない。 全...

2023年11月6日
スマートフォンから投稿

カポが、親衛隊が、密告者が、
あなたの隣にもいるかもしれない。

全てをなくなったことにしない
製作者の志に胸打たれた。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
JYARI

4.0課題

2022年3月30日
iPhoneアプリから投稿

全編ちゃんとみたのは初めてかも。ブルドーザーのシーンは何度も見た。

「生産性」の追求。
思ってた以上に巨大な施設だったんだな。
死体をどう処理するか、何かに活用できないか、という課題を与えられたらまじめに仕事しちゃいそうな自分を感じた。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
hyvaayota26

4.5怖かった

2020年11月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

地獄とは、ここのことだ。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
Momoko

3.5レネ監督が問い掛ける、人類の課題について

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

非人道的で残酷極まる大量殺人を犯したナチス・ドイツへの、憤る批判と非難、そして悩乱が、この短編記録映画の制作意図である。それは、人類史上の汚点として、社会的に道徳的見解から、もっと議論されるべきものである。アウシュビッツの過去の悲惨な残虐シーンと、制作スタッフが実際に撮影した廃墟の傷跡が、丁寧にモンタージュされている。レネ監督の特長である滑らかな移動撮影が独特な映画文体を構築し、それに同調した終始冷静な解説のナレーションの哲学的論法が、観る者に問題提起する。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
Gustav

4.5アウシュヴィッツビルケナウを訪れて

2020年4月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

ちょうど2年前の5月にアウシュヴィッツビルケナウ収容所を訪れました。フランクルの『夜と霧』を何回も読んでいたのと『サウルの息子』を鑑賞していたので、忌々しく暗い場所を想像していたのですが、そこは意外にも緑に溢れた穏やかな場所でした。忌々しいのは土地ではなく、ファシズムだったのだと痛感しました。

私がアウシュビッツビルケナウ収容所で初めて知ったのが、一番初めに収容所に入れられたのは、ユダヤ人ではなく大学教授などナチスに反対する知識人達ということです。それが、共産主義者、社会主義者、ユダヤ人、ロマ、同性愛者などに広がっていったと。だから、ナチスの選民思想は決して人種の問題だけではありません。

アウシュビッツビルケナウ収容所解放から約10年後、アラン・レネは初めて収容所の残虐行為を告発した作品として今作を発表した訳ですが、残虐なビジュアル(ドイツ軍が撮ったと思われる人の頭部や死体の山)を映し出す記録映画にした事は、とても勇気がいったと思います。ナチスや収容所は、加害国ドイツだけの一方的な問題ではありません。アラン・レネの母国フランスをはじめ、協力者や協力国があったからこそ、ヨーロッパ諸国全体の問題に帰結するのです。と同時に、このビジュアルほどファシズムを一言で語れるものはありません。アウシュビッツビルケナウ収容所でも、多少の画像があっただけだったので、私も今作の様な映像を観たのは初めてです。

日本での初公開時には、残虐シーンが過激であるとして数分のカットを入れて上映したと何かでみたのですが、本当に信じられない気持ちです。作品の一部を削るなんて。昨今の日本でもはだしのゲンが残虐だとか言う馬鹿げた人もいるので、日本人が現実に向き合う強さを持ち合わせていないのかとも思って虚しくなりました。

アウシュビッツビルケナウ収容所を訪れた時に意外だったのが、ヒトラーという個人名が出ることがほぼなかった事です。収容所の理念として、ファシズムは、ヒトラー個人の問題ではなく人類全体の問題、自分自身の問題だからだと。

この作品に映し出される笑いながら人を殺す人、裸になって並ぶ人、人体実験をする人、人体実験をされる人、それはフィルムに映しだされている他人ではなく、全て『私』なのです。今作は『私』の写鏡だからこそ、皆に鑑賞して欲しいです。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
ミカ

4.0負の遺産

2020年2月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

難しい

もうこんなもの絶対観たくない。
こんな思い絶対したくない。
でも、目を背けてはいけない。
一度は必ず見るべき。
何度でも見るべき。
人間は戦争というものを通した時にこんなにも変わってしまうのかと、とても驚きました。
短編のドキュメンタリー映画とはいえ、内容は本当に深く、重く、改めて大切なことを教えてくれます。
カラーと白黒を使い分けているところも良いです。
当時の生々しい映像はとても残酷でとても怖いです。
口を開けた生首や女性の毛髪、裸にされ、骸骨のように痩せこけている人々、ゴミのように扱われる無数の死体。
この人たちだって昔はちゃんと普通の人間として生きていたのに、とても人とは思えない姿になってしまっていて、ただただ衝撃でした。
現在の平和な日本ではとても想像がつかないですが、これは70年ほど前に起こっていたリアルなことです。
もちろん当時は日本もこのようなことを行なっていたと思います。
日本では、あまりヨーロッパの戦争について知る機会はないので、同じ枢軸国であった以上、この事実をこの映画によって知るべきです。
できれば、実際に現地に足を運び、自分の体で感じたいとも思いました。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
唐揚げ

5.0骨と皮

2020年1月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 1955年当時のカラー映像。広大なアウシュビッツの敷地内の火葬場を背景に写真を撮る観光客も多いのだとかナレーションが入ったりする。知らずに見ているとどこかの閉鎖された農場にも思えるところが興味深い。

 一転して戦時中の白黒映像。現存するドキュメントも少ないだろうけど、そこには何も知らされずに駆り出されたユダヤ人の姿。点呼を取ろうにも毎日数字が合わないという現実がそこにはある。収容所内には三段ベッドが狭苦しく並び、飢えと渇きに苦しむユダヤ人たちが生き残るために略奪をも行っていた。そのくらい死と隣り合わせの状況だったのだ。

 最初は過酷な労役を与えられ、人体実験、毒ガス室、すべては死に追いやりユダヤ人を絶滅させようとするナチスの悪魔性が垣間見えるのです。殺戮は敗戦が見えていても続けられ、火葬場において燃料が足らなくなったために土の中へ。死体から石鹸をつくるなどという話も聞かされると、もう石鹸を使うことすら躊躇ってしまいそうだ。

 多分、ドイツ軍が撮ったと思われる記録映像。頭部だけの死骸の山だとか、皮膚がただれてしまった死体だとか、本物の映像には目を背けたくなる。しかし、これがナチスが行った真実の愚行。戦争はこれほどまでに残酷な悪魔を生み、そうした戦争をいまだ続けようとしている者がいる事実。誰が気づく?誰が止められる?こうした映像を見せられても気づかない?

 32分という短いドキュメンタリー映画ではあるけど、人の人生をも変えてしまいそうなショッキング映像のオンパレード。反ナチ反戦の映画も数多く作られているけど、真実に勝るものはない。しかし、この映画を参考に作られた映画もまた真実のはずだ。『シンドラーのリスト』の映像なんて、これそっくりに作られていたんじゃないかと、また観たくなってしまった。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
kossy

4.0900万の霊の悲鳴に耳をすませ

2018年6月13日
Androidアプリから投稿

泣ける

悲しい

怖い

1955年現在から10年前のアウシュビッツ強制収容所の様子をカラーと白黒の交互に見せていく。がらんとした緑の草原の中に佇む建物を、外観から内部まで移動するように動くカメラに対して、当時は白黒の写真に固定カメラの資料映像。

穴がずらっと並ぶトイレ、裸でガリガリの皮と骨だけになった男たち、目見開いたままの死体、別棟の人体実験施設、コンクリの天井に残る爪痕のくぼみ、大量の女性の髪の毛、桶に入った斬首した頭、死体の山をブルドーザーが押しのける、収容所で働くカポは言う「責任はない」と。

タイトルは国家に対して反逆の疑いのあるものは、秘密裏に(夜陰に乗じて霧に紛れて)家族まるごと捕縛して収容所に拘禁せよという、ヒトラーの特別命令に由来。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
mimiccu

4.0というかしばらく人間をみたくなくなります。

2016年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、CS/BS/ケーブル

最初の出会いは映画論。
次の出会いはCATV。
二度も観てしまいましたこの映画、というよりドキュメンタリー。

現在のアウシュビッツと過去の映像をうまく組み合わせながら淡々とナレーションが流れていきます。
途中、死体やら切断された顔と体やらが隠されることなく、当時の映像そのままを流しています。

初めて見た時は、衝撃すぎて、本当にめまいがしました。
そして、二度目に観て思ったことは、
この人たちにはちゃんとした生活があって夢もあっただろうし、
でも殺されるってわかってて今日を生きる絶望感って、実は死よりも苦しいのでは、ということ。
たまに、夢で絶望を感じるときってありませんか?
けど現実世界でわたしがこんな絶望を感じることはおそらくないと思います。
それは 現代の 日本に 生まれたから、とってもラッキーだからです。
とか考えてると31分のフィルムはあっという間に終わってしまいます。
これを観た次の日の朝の目覚めはすっきりしなくなりそうです。
あと、誰かと観るのはオススメしません。
観終わった後、ひとりでいろいろ考えてください。

…というかしばらく人間をみたくなくなります。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
うえあおい

4.0沈黙は、雄弁と語り

2011年2月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

ポーランド・アウシュヴィッツ強制収容所。そこで行われた出来事、真相を、写真資料と、撮影当時に映し出した映像を結び合わせて描き出す、「二十四時間の情事」で知られるアラン・レネ監督の代表作。

「戦争は、おぞましくも悲しい」この明解な結末に辿りつくまで、膨大な資料と、無駄の無いナレーションを積み重ね、観客を連れて行く。言葉が全てを主張し、電子世界を支配する現代にあっては息苦しさを覚える本作の世界。ただ、そこには証拠をひたすらに並べて私達を納得させていく法廷のような強制力は持ち込まれず、作家、そして観客の想像力を駆使して真相へと導く、映画作品ならではの意欲と挑戦がある。

本作品の中に、興味深い場面がある。囚人達の多くがその儚い命を散らしたガス棟を映しこんだ映像において、天井に無数に刻まれた爪あとを粘着に、沈黙を持って見つめる場面がある。再現シーンを持って描けば事足りる場面を、なぜ沈黙で答えるか。そこには、観客自身に想像して欲しい、感じて欲しいと切に願う、作家の願いがある。体中を黒い闇が覆い、呼吸が弱くなる。それでも、生きたい。この世にすがりたい。その一心で囚人達は天井によじ登り、手を真っ赤にして爪を突きたてた。そこまで感じなければ、思わなければ、この作品を産み落とした意味は無い。作家の挑戦と願いが、この一場面に集約されている。

「戦争は、いけない」この明確な結末に辿りつくまで、30分の冷徹な視線は観客を挑発し続ける。頭が痛い。目を背けたい。それでも、人が人を苦しめていく歴史を繰り返す人間としてこの先も、生きていくならば、この作品を一回、見ておいて欲しい。そして、想像して欲しい。どこまで、暴力は、卑劣な欲望は、人を変えていくのか。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ダックス奮闘{ふんとう}

4.0スクリーンを直視し難い“32分”

2009年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

“ヌーヴェルヴァーグの50年”という
特集上映の中の1作として上映されていました。

製作年度が1955年ですから、
ホロコーストものの初期ドキュメンタリー作かな
そんな予想のもと、鑑賞をしてきました。

☆彡     ☆彡

時代が古いからかなぁ
映像の自主規制のようなものなかったんでしょうね
衝撃映像、てんこ盛りだわ。32分が、あっという間だった

1955年現在の強制収容所と
1930年後半から実際に人々が
収容されていたときの白黒映像を
交互に行き来させながら進められていくドキュメンタリー作品です。

余分な演出は一切なく、
ナレーションも少なくしていますので、
当時の映像と写真に言葉を失います。

切り離された頭が
無数にならんでいる写真もあり、
なんどかスクリーンから眼をそらしてしまいました。

それにしても
ホロコースト作品って
一体何作品あるのでしょう。

そして
一体切り口の数は幾つあるのでしょう。

戦争のおぞましさ
人間のおぞましさ

いつもながらに閉口してしまいました。

☆彡     ☆彡

ただ、きっと
これだけの数の作品が作られているということは
ドイツ側も史実を認め謝罪をしているからですよね。

翻って我が国は、
香川照之さんも出演されている
中国映画『南京南京』。絶対に日本国内では上映されないでしょう。

二度と繰り返してはならない過ち
“32分間”突きつけられ続けます。
興味のあるかたは、体調を整えた上で、ご鑑賞下さい。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
septaka