劇場公開日 1988年2月6日

「観なければ、世界を見失う」汚れた血 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0観なければ、世界を見失う

2018年11月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

遅れて来たヌーベルバーグ
ゴダールに近い感覚の余韻
物語には特段の意味はない
まして架空の伝染病も設定に過ぎない
特に意味はない
大事なのは映像と台詞と俳優の醸し出す独特の雰囲気
観はじめてギアが噛み合うまで時間が掛かるかも知れないが、クラッチを操作するうちにギアが噛み合い、あのバイクのように疾走しだす

夜の美しいシーンが素晴らしく豊穣
台詞も良く吟味された覚えたいフレーズばかりだ

何より主要な登場人物の配役と造形が見事
アンナが滑走路を手を広げて飛行機となって走るラストシーンは心を打つ名シーンだった

飛行機に乗る事を望んだアレックスの思いを込めて懸命に走る彼女の片頬は彼の血で汚れている

真っ赤な片頬は彼女の手で隠され、彼の死を認めないのだ

あき240