ブローニュの森の貴婦人たちのレビュー・感想・評価
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悋気は女の慎むところ
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案に相違してブローニュの森のシーンはわずかしかなく、ほぼ室内劇。貴婦人と言えそうなのも一人だけで、しかもどうにも性根が腐っているという…。
当時の踊り子というのは(ドガの絵でもそうだが)春をひさぐ一面があったのかもしれないが、途中からアニエスはひたすら可憐にしか描かれず、そうなるとエレーヌはただのいけず女にしか見えない。そもそもそんなことを言い出したら、花魁に恋する「紺屋高尾」や「幾代餅」の純愛噺は成り立たないわけで、エレーヌの深謀遠慮は肩透かしに思えてくる。
(ドルチェ&ガッバーナならぬ)百科全書派ディドロ&ダランベールのディドロ「運命論者ジャックとその主人」が原作とあるが、この話は主人公たちが立ち寄った宿のおかみによって語られる挿話であって、一部分に過ぎない。
ダイアローグ監修の任をもって“ジャン・コクトー映画祭”のラインアップに入れるのは無理があり、あくまでロベール・ブレッソンの映画である。
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