フェームのレビュー・感想・評価
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夢を追う若者達のエネルギー
芸術学校における4年間の学生生活を撮ることにフォーカスしている映画。ストーリーは無きに等しい。
学生達が、自分の喜怒哀楽を曝け出さねば、人を感動させるようなパフォーマンスはできないと言わんばかりに、精力的に演劇・音楽・ダンスに取り組む。今作が描きたかったのは、そんな夢を追う若者達の、桁外れのエネルギーそのものなのだろう。
しかし、こういうストーリーが無きに等しい映画が、自分には面白いと思えないため☆2。同じアラン・パーカー監督の『ミシシッピー・バーニング』は好きなのだけどな。
音楽でもっと押して
公開時以来、44年ぶりのスクリーン再見。マンハッタンの芸能学校で名声の獲得を夢見る若者たちの群像劇です。
ふむ、やはり当時と同じ感想でした。物語は「群像劇」と言うより「散漫」に感じました。それぞれの登場人物への踏み込みを中途半端な所で止めてしまわず、青春の残酷さもグッサリ描き切るべきだったのではないでしょうか。
また、ミュージカルと言う程に音楽を押す訳ではないやや中途半端な構成もモヤモヤ感を残しました。
ハイ・スクールはダンステリア
誰が主人公というのでもなく、芸術系の学校に集う若者たちの群像をコラージュのように描いていく。短いカットで繋いでいくテンポが小気味いい。
ん十年ぶりの再見なので、ディテールは覚えていなかった。おそらく「ラ・ラ・ランド」に引用されたと覚しき道路上のパフォーマンスが有名だが、白眉は突然巻き起こる食堂のジャムセッション。ここは本当にワクワクする。
出演者たちは現実にはショー・ビジネス界でサクセスストーリーを歩むとは行かなかったようで、その辺は複雑な思いが残る。メグ・ティリーの名前もあるが(結構好きな女優だった)、どこに出ているかわからなかった。
監督もアイリーン・キャラやその他の出演者も既に亡くなっている人が多い。「午前十時の映画祭」を見るというのは、ある意味点鬼簿の頁をめくっていくような面もある。
Oh NY! 人種のるつぼ、エネルギーのるつぼ、そして若いってスバラシイね!
「午前十時の映画祭」で鑑賞。
お話に大きな起伏がないので、ちょっと集中しづらかったけど、退屈するということはなかった。
ストーリーらしいストーリーがないのがかえってよかったのか、夢を追う若者たちの日常(その日常は我々のそれとはかなりちがうものだけれど)がリアルに生々しく迫ってきた。それからニューヨークの濃厚な雰囲気もじゅうぶんに味わえた(行ったことないけど)。
とにかくいろんな意味で濃い映画。なんかこってりしたものを食べ過ぎたような気分になっちゃいました。
ひとつ気になったのは、あの痛々しいアイリーン・キャラのヌードシーン。あそこまで脱ぐ必要があったのかなと思います。
まあそれにしてもニューヨークってすごい街だな。人種のるつぼ、エネルギーのるつぼ……。そして若いってスバラシイね!
若さって、劇薬だ
午前十時の映画祭にて鑑賞。
若者の何者かになることを夢見る姿と、それに対する現実とのギャップに苦悩する姿は誰しもが通ってきた景色だ。だからこそ彼らが眩しく、微笑ましく、そして羨ましい。
ミュージカルシーンでは十代のエネルギーに溢れている。
改めてみると…
当時はドキュメンタリー風に場面繋ぎ合わせた感しか感じられなかったけど改めて見ると希望と現実とこれからの未来が芸術スクールの入試試験から卒業までうまくまとめられてるなー、と。ボディエレクトリックには当時も感動したけど今回も盛り上がりすぎ。大画面で見直せて良かった。
学生時代
明日の名声(フェーム)を信じて、自己研鑽に勤(いそ)しむ。
その純粋なひとときは、人の一生のうち、学生(学生時代)にだけ許された貴重な時間―。
人間は、交換経済の仕組みを知ってから、貨幣との交換によって食糧を手に入れることができるようになり、自然界の他の動物のように一日の大半の時間を索餌に費やす必要はなくなったのですけれども。
しかし、その交換に使う貨幣を手に入れるために、勤めにしろ、自営にしろ、人間は一日の大半を勤労に費やさなければならないことになってしまいました。
思い起こせば、そういう人間の生活で、唯一、学生時代は、自分のために時間を使うことができた、とてもとても貴重な時代でもあったのでしょう。
一年次(freshman)、二年次(sophomore)、三年次(junior)、四年次(senior)の4年間を経て、入学時には初々しく不安げだったどの顔も、芸術家(芸能家)として、いっぱしの顔に変わっていたことも、印象的でした。評論子には。
もう二度と戻ることのできない時間ではあるのですけれども。
しかし、限られた上映時間の最中、そういう感慨を胸いっぱいに味わい、自分の学生時代(大学時代)の雰囲気を回顧することのできた一本でした。
秀作であったとも思います。
Alan Parker did it again!
今作に続いて若者たちの夢と希望、挫折を描いた「ザ・コミットメンツ」が全米公開された時の、ポスターや新聞広告に付された惹句です。
メロディ世代にとってアラン・パーカーの名前は特別だったけれど、この頃のアラン・パーカーは次に何をやってくれるか、またやってくれた、と本当に目の離せない存在だった。
序盤のオーディション、フレッシュマン、と若者たちの若さを爆発させる姿にみんなを応援したくなる。
いつの時代においても、その時代時代を反映させて10年おきくらいにリメイクし続けてもいい作品だと思う。
今作でも、「ザ・コミットメンツ」でもあれほど輝いていた若い俳優たちが(アイリーン・キャラ以外)、その後見かけなかったのは、映画同様に挫折や運に恵まれなかったりしたからか。
青春への憧れ
午前十時の映画祭で鑑賞。
日本公開当時15歳。劇場では観てないけど、青春への憧れを感じさせられた。
アイリーン・キャラが歌う主題歌だけでなく、劇中の音楽や歌は素晴らしくいい曲ばかり。
ストーリーはあまり重要じゃない作品ですね。
夢見る若者の青春群像劇!
名匠アラン・パーカー監督の音楽学校を舞台にした青春群像劇。
今まで一度も見たことがありませんでしたが、音楽は知っていましたし、午前10時の映画祭に選定された作品なので初鑑賞してきました。
基本的に私はミュージカルは苦手なので心配しましたが夢に向かってエネルギッシュに歌い踊り演奏する若者のパワーが画面から伝わってくる素晴らしい映画でした。
音楽が始まるとバラバラに見えていた若者がひとつになって歌い踊る様は素晴らしく感動的でした。
皆それぞれ様々な悩みを抱えながらも、音楽でひとつになれる素晴らしさ。
ダンスミュージックだけではなくクラシックもあるのがいいですね。
ココ演じるアイリーン・キャラも綺麗でした。
そしてなんと言ってもフェームの音楽に乗って交通渋滞など省みず車のボンネットで踊り狂う姿が圧倒的でした。
みなぎる若者の躍動感!
これぞ青春です!人生はあっという間に過ぎていきますが、若いときにしかできないことも多々あります。
劇中の若者は皆、輝いて眩しかったです。
ドキュメンタリータッチでまとまりがないようでいながら、その実等身大の生徒たちの個々の悩み、そして成長をしっかりと描き、まとめあげたアラン・パーカー監督の手腕に拍手を送りたいです。
この時代の映画が妙に心地よく感じられるのは私が歳をとったせいなのだろうか?
映画館で見れて本当に良かったと思いました。
若者たちの苦悩とあがき、抑えきれないエネルギーが極彩色の映像と音楽で爆発する
午前十時の映画祭14にて。
舞台芸術の專門ハイスクールに集う問題児たち。
一人ひとりが異なる悩みや苦しみと戦う姿をリアルに描写する一方で、彼らが集合すると自然発生的に奏で、歌い、踊るファンタジーは、ユーモアとパッションに溢れている。
ある者は成功を夢見て、ある者は他に行き場がなくて、そこにいる。
ある者は自分の限界を感じて挫折に打ちひしがれ、ある者は新しい自分に目覚めて殻を破ろうともがく。
彼らが、自分がぶつかった障壁を乗り越えられたのかどうかをこの映画は語らない。
入学から卒業までの出来事の断片をドライにただ連ねただけで、ストーリーはないに等しい。
なのに、胸に熱く迫るものはなんだろうか。
前半のクライマックスは、アイリーン・キャラが歌う主題歌に乗って路上で繰り広げられる集団のダンスパフォーマンス。
ノリの良い音楽が流れれば、彼らの体はリズムを刻みステップを踏まざるを得ない。
何もかも頭から外して踊り狂う若者たちの姿が感動的ですらあり、熱く楽しいこのシーンは映画史でも屈指といえるだろう。
映画の最後を飾る卒業ステージは、それまで何度か映し出された自由に歌い踊るシーンとは違い、彼らが学んできた成果を発表する公式のステージだ。
いわゆる学生たちの集大成のシーンであって、出演した若い役者たちの集大成でもあるように感じる。
設計された演出に沿って演奏し歌っているはずの彼らの表情は活き活きとし、客席にいてノリノリで楽しげな教師たちが暖かい。
脚本のとおり順撮りされたというこの映画の、まさにクライマックスだ。
公開当時は同世代として彼らに共感するとともに、映し出される環境があまりにも日本とは異なることに驚き戸惑った。
人種や性的マイノリティへの理解もあまり及ばなかった気がする。
40数年が過ぎ、現役を終えた世代になって観た今は、刹那に命を燃やす若者たちに目頭が熱くなる。
主題歌「Fame」でアカデミー賞歌曲賞を受賞したアイリーン・キャラは一躍注目され、3年後『フラッシュダンス』の主題歌「Flashdance... What a Feeling」で2度目のオスカーを手にするとともに、知らない人はいないと思われるほどの世界大ヒットを飾り、グラミー賞シンガーとなった。
たが、レコード会社の不誠実な契約によって充分な報酬が得られず裁判で争うなど、順風満帆な人生を送れなかったのは気の毒だ。
青春群像劇としてはやや混乱していて感情移入しにくい。最初のカフェテリアでのセッションが素晴らしい。
この映画を語るときよくドキュメンタリー風と評される。入学のための各科(演劇、舞踊、音楽)のオーディションが冒頭から延々と続く。入学自体はお金を払えば可能だが(出来が悪ければ途中で退学にはなる)スカラーシップの枠を審査しているのでしょう。(黒人やプエルトリカンは優先されるので有利というセリフもあった)面白いのは勘違いともいえる受験者。例えば演劇科を受験したタワーリンクインフェルノのシーンを延々と模写する女性など。ちなみにこの人はエンドロールで「タワーリング・インフェルノ パフォーマー」とわざわざクレジットされています。ただ演劇科を受験したけど最初はラジカセの音楽で歌うドリスのように、最初は我々観客もおかしな人かと思っていても入学して主役の一人になっていく人もいたりしてこの部分はとても面白いです。
主人公たちが出揃ったところでカフェテリアでのセッションがあります。これが本当に素晴らしい。私の中で全ての音楽映画、ミュージカルを通じベスト3に入るセッション。
さてここまで全体の四割ぐらいで、残りの尺はドリス、フランソワ、ラルフの演劇組、ブルーノ、ココの音楽組、リロイ、リサ、ヒラリーの舞踊組の3組に分かれて、それぞれの教師や親も絡みながら青春群像的な展開となります。ここがゴチャゴチャして理解しづらく筋を追うのが精いっぱい。学生の段階では誰も成功はしないわけで、挫折の苦さをそれぞれが味わうことになるのですが、今ひとつ胸に迫ってきません。そうこうするうちに大定番である卒業公演が始まって大盛り上がりで映画は終わるのです。
前半の素晴らしさからしていま一つの消化不良気味だったなという印象を受けました。
アラン・パーカー監督作の中でも一番好き。音楽の使い方とカットの繋ぎ...
アラン・パーカー監督作の中でも一番好き。音楽の使い方とカットの繋ぎ方が素晴らしい。学生の頃にビデオで何度も観た作品。映画館で観ることができて嬉しい。アカデミー賞作曲賞、歌曲賞受賞。
明日への希望を託す芸能専門学生の若いエネルギーを発散させたパーカーの傑作ミュージカル
芸能専門学校に通う若者たちの可能性をパワフルに表現したアラン・パーカーの力作。青春期にしかないエネルギーの発露をストレートに表現したパーカーの演出力が素晴らしい。これほどに若さを肯定的に捉えた音楽映画は今までに無かったのではないだろうか。作品の構成も音楽の推進力と噛み合って実にテンポ良く進み、爽やかな青春讃歌のミュージカル映画になっている。専門学校の4年間を、あたかもベートヴェンの交響曲第9番『合唱』の全4楽章に当て嵌めたような“音楽への捧げもの”として捉える事もできる。芸能の魅力に取りつかれた若者の感性を、音楽のリズムとテンポに転化したパーカーの演出に終始身震いした。今日のミュージカル作品として特筆すべき傑作であると思う。
1980年 12月23日 スカラ座
アメリカン・ドリーム
監督は、
「ミッドナイト・エクスプレス」で
アカデミー最優秀監督賞に輝いた
アラン・パーカー
マンハッタンのアートスクール
(芸術専門学校)P.Aが舞台。
入学試験は、オーディションで
選抜されるという厳しい世界。
俳優や、ダンサー、歌手
クラシック奏者等
明日のスターを目指す
若者達の姿を
ドキュメンタリータッチで描いた作品。
ココ役のアイリーン・キャラが歌う
テーマ曲「FAME」が大好き。
後に大ヒットした
「フラッシュ・ダンス」の
「What a Feeling」も人気ですね。
全米No1になりました。
この「フェーム」でも
多くの名曲があり
校内の食堂で弾ける
「HOT LUNCH JAM」は躍動感
ココが歌うバラードの
「OUT HERE ON MY OWN」も
切なくて素晴らしいです。
ラストの卒業シーン
オーケストラ、コーラス、ゴスペル
ダンサー、父兄や在校生の
観客達も、参加し感動的でした。
40年振りに観た映画
1980年、この年に米国を訪れて、この映画をニューヨークで観た。人につられた団体旅行だったので、どの映画館で観たとか詳細などはほとんど覚えていないんだか、この映画は覚えている。俳優たちの顔と音楽は忘れなかったようだ。ブルーノ(リー・キュレーリ) キーボードのスキル、ココ(アイリーン・キャラ)の歌唱力、ヒラリー(アントニア・フランチェスキ)のエレガントさ、モンゴメリー(ポール・マクレーン)の一際目立っていたパーソナリティーに澄み切った歌声、ルロイ(ジーン・アンソ ニ
ー・レイ)のゴージャスな踊り。40年前でも、不思議なくらいによく覚えていた。これが高校生え思ったからだと思う。
そのごニューヨークをまた、訪れた時、フエームがブロードウェーのショーになっていたが、ショーは数多いので、これを選択肢に入れてみなかった。フェーム というテーマ曲は同じだが、内容もハーフォーマンスも同じではないようだ。それに、リメークされたり、テレビドラマ(リー・キュレーリとジーン・アンソ ニー・レイは出演している)になったりしたようだ。
1980年のフェームを最近観て、何人かの俳優が当時インタビューを受けているのを聞いた。ポール・マクレーンという俳優に何度もしつこく、この役柄に抵抗がなかったか聞いていたが、彼は全くなかったと答えていた。1970年の後半、ポールはホモセクシャルがカムアウトしていない存在の役を知っていてこの役を受けたかという質問もあったが、こういう質問には閉口したが、1970年後半だからねと思い直した. Is It Okay If I Call You MineとDogs In The Yardという曲は彼が書いたと。
リー・キュレーリはニューヨークの私立のコンサベトリーManhattan School of Musicの学生だったと。演奏振りを見ただけで才能のありそうな学生だとわかるね。この映画に出てくる人びとはすでに才能を開花していて、主役の生徒たちはその後スターダムに乗ったそうだ。米国でかなり有名な役者や音楽家やダンサーになっているんだね。 とういうことはキャスティングの係りは先見の明があったわけだね。高校生が卒業後プロになりたいのが、なっていくんだからねえ。先生方や指揮者はプロを起用と。驚くセットだね。全く知らなかった。
それに、The song "Hot Lunch Jam" was heavily improvised. 監督がこの曲は即興だとウィッキーで。ココのボーカルが入る時、ブルーノが『どうぞ、ここから』と手を出すからちょっと違和感があったけど、やっぱり即興か! 参った。
次は私の好みのシーン。私はブロードウェイで演劇のワークショップを見たことがあるから、この演劇クラスでのシーンに共感。悲しいシーンを思い出して、自然に泣けるところは、実際も俳優がこうやって演技をしているのがわかるねえ。プレイハウスでのシーンが最高。観衆である生徒が一人一人映画の主役になってるんだね。雨が降ってくれば、持っている新聞や本などを頭に乗せてやめば、それを手に持ち、The Rocky Horror Picture Show と一緒にセリフをいう。カッコいいショットだ。そして、ドリス(Maureen Teefy) はステージに上がる。 これが、ドリスの自信にもつながっていくが、彼女が人間として人生を積み重ねていくだろうという様子が描かれていると思う。
これはニューヨークが舞台で、すでに、公立高校で、芸術(演劇、ダンス、音楽)に特化する High School of Performing Artsという類の学校があったのは現実だったんだと思った。ちょっと調べたら、1947年には設立されていたらしい。今なら、特化された公立高校はあるだろうが、当時もあったとは、恐れ入り屋の鬼子母神。
ここで、ココ(アイリーンキャラ)は演劇、ダンス、音楽の全てを専門にしているように描かれている。彼女はプエルトリコ系アメリカ人の役でブルーノのお父さんのタクシーで送ってもらった時、守衛のいる建物に入らず、別のところへ帰っていく。演劇のラルフ(バリー・ミラー)も貧しいプエルトリコ系いアメリカ人だ。ダンサーのルロイも文字が読めなく、作文がかけない。なかにはヒラリーのように高級住宅に住んでいる生徒もいる。これが学校群だけに囚われす、広範囲で越境入学できる公立高校かもしれない。
人間模様についてコメントを書いていないが、監督から俳優までの、この芸術の意識の高さには土胆を抜かれた。あっぱれ!
永遠不滅の青春映画です
関連するロックミュージカルを時系列で整理するとこうなります
ジーザスクライストスーパー
1971年ブロードウェイ初演、1973年映画公開
ロックオペラによるミュージカルの革新
ロックミュージカルとは何かを世に示した画期的な作品
コーラスライン
1975年ブロードウェイ初演、1985年映画公開
ミュージカルのオーディションに参加するダンサー達と演出家の物語
ダンサー側から、ミュージカルの裏側の世界の厳しさとその真剣な情熱を描く
オールザットジャズ
1979年映画公開
舞台版は有りません
ダンスの演出家、振付師の物語
演出側の孤独さ、才能を絞り出す為には心身を削る程であることを掘り下げる
フェーム
1980年映画公開
舞台版は有りません
舞台芸術学校の生徒たちの物語
この世界を目指す若者たちの姿を描く
この4作品は4つで一つの物語であるのだと思います
本作はミュージカルを構成する最後のピース
厚いショービジネスの人材は一体どのように大勢生み出されているのか
その人々はどのような若者たちなのか?
どのような夢と熱意を持ってどの様に生きているのか?
それを教えてくれるのです
青春の熱さ、成功(フェーム)だけを夢見て、自分の才能に疑問もなにもない
自分にも華やかな世界に通じる道があるはず
そう信じて疑うこともない
誰もが経験したはずのことが、本作にはあります
舞台芸術のショービジネスだけの話では有りません
学問の世界、商売の世界、技能の世界、スポーツの世界などなど
どの世界にも通じる普遍的な物語です
あまりに舐めて放校されるもの
裏業界の人間に騙されてエロビデオを撮られてしまうもの
様々な失敗、黒歴史を重ねていくのです
自分にもあります、あなたにも有るはず
それでも何となく時はすぎさって、何十年も経ってみれば、あの頃夢見た道から大きく外れているかも知れません
憧れの先輩はハリウッドに行ったものの結局端役止まり、NYに戻ってきてウエイターで食いつないでいます
それでも凄く頑張った方です
最初目指した道でフェームを獲得できるのは、ほんの一握り
その道に残っていても、フェームにはもう手が届かないことがはっきりしてしまっている
下積みのままか、フェームを掴んだ人を支える側にまわるのか、それなりに自分の居場所を作って生きているのです
気付けば全く違う道に進んでいるかも知れません
その道で成功を掴んだ人もいるかも知れませんが、やっぱりそこでも成功するのはごく一握り
何でこんなことをしているのだろうと悶々と生きているかも知れません
世の中の濁流に呑まれて流されて、何となく居場所を見つけて、何とか日々生きている人が大半なのではないでしょうか?
その居場所で小さな喜びを見つけて生きていくのが普通の人間の人生なのだと思います
それでもみんなこんな青春の夢があったのです
21世紀の若者たちも同じだと思います
ダンスや音楽の専門学校は東京や大阪にもあります
今日もそこでは本作のような若者たちの青春があるのだと思うのです
数年前、大阪ミナミのとあるクラブのイベントに行ったとき、ダンスの専門学校生達とおぼしき若者たちを見かけたことを思い出しました
そんなことを思いつつ本作を観ていると、なんか胸が張り裂けてしまうような熱い感動があり、涙が溢れてしまうのです
遠いところに来てしまった
こんな青春は確かにあった
でも今はもう遥かに遠い遠い昔のこと
本作を観て21世紀の若者たちも、いつの日かこんな思いにとらわれるのかも知れません
永遠不滅の青春映画です
傑作です
蛇足
ラルフが敬愛する「フレディ」とは、フレディ・プリンズのこと
もちろんクィーンのフレディではありません
ラルフと同じくプエルトリコ人居住区の出身で、本作のモデルの学校出身のお笑い芸人です
劇中での台詞どおり若くして命を落としたそうです
アイリーン・キャラ
なぜか大学時代に縁が深かった曲「フェーム」。誰も映画について語らなかったし、映画はだめだけど音楽は良かったという他人の感想がそのまま印象に残った・・・
オーディションのドキュメンタリーのようなオープニング。ほとんどドラマ形式をとらずにもくもくとそれぞれのストーリーが進んでゆく感じ。「音楽の才能がないようだから演劇科に移ろうかな」なんて台詞も出てきたけど、アイリーン・キャラなんて役者より歌手を選んで正解だったんだし、登場人物がそのまま実生活の生き写しのような気もしてくる。
終盤がもたつき気味。アイリーン・キャラのヌードもなんだか・・・そんでラストのオーケストラ、コーラスが凄い!って、どんな繋がりなのかわからなくなった・・・
スターを夢見る若者たちの青春記。 芸術的センスのかけらもない私には...
スターを夢見る若者たちの青春記。
芸術的センスのかけらもない私には無縁の世界。その道を志す者にはバイブル的作品なのかも。見る者によって響く度合いが違う映画かなと感じました。
山場は中盤のストリート乱舞、クライマックスの卒演、あとは数カットのオッパイぽろり(笑)
私にはただただ羨ましいばかり。思い入れのある出演者もおらず、正直あまり響くものがありませんでした。
芸術センスが欲しかった。天性のものなのですかね。
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