「学生時代」フェーム talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
学生時代
明日の名声(フェーム)を信じて、自己研鑽に勤(いそ)しむ。
その純粋なひとときは、人の一生のうち、学生(学生時代)にだけ許された貴重な時間―。
人間は、交換経済の仕組みを知ってから、貨幣との交換によって食糧を手に入れることができるようになり、自然界の他の動物のように一日の大半の時間を索餌に費やす必要はなくなったのですけれども。
しかし、その交換に使う貨幣を手に入れるために、勤めにしろ、自営にしろ、人間は一日の大半を勤労に費やさなければならないことになってしまいました。
思い起こせば、そういう人間の生活で、唯一、学生時代は、自分のために時間を使うことができた、とてもとても貴重な時代でもあったのでしょう。
一年次(freshman)、二年次(sophomore)、三年次(junior)、四年次(senior)の4年間を経て、入学時には初々しく不安げだったどの顔も、芸術家(芸能家)として、いっぱしの顔に変わっていたことも、印象的でした。評論子には。
もう二度と戻ることのできない時間ではあるのですけれども。
しかし、限られた上映時間の最中、そういう感慨を胸いっぱいに味わい、自分の学生時代(大学時代)の雰囲気を回顧することのできた一本でした。
秀作であったとも思います。
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