「大切なもの」ファーゴ ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
大切なもの
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お金が手に入るなら、何の計画も立てずに、身内も殺すし、見知らぬ人も殺すしで、金と暴力とバカに支配された国をブラックに描いた傑作です。
自分の手を汚さずに殺人を委託するだけで、あとは底辺のバカが適当にやってくれるだろう的なジェリーの発想は、正に今のアメリカ国家の発想そのものではないでしょうか。フランシス・マクドーマン演じる女署長がラストで、「お金より大切なものがあるわ。そう思わない?」と言いますが、金と暴力とバカに支配された国では完全にギャグになってしまうところが、エグいところです。言葉が通じないというか。
アメリカのネガティブな部分はシリアスなドキュメンタリーフィルムで表現した方が簡単だとは思いますが、コメディタッチで表現するコーエン兄弟は、やはり凄いとしか言いようがないです。私の中では、マイケル・ムーアに近い印象です。
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iwaozさんのコメント
2022年2月21日
確かにマイケルムーア的は納得です。^ ^
ただ日本でも、本当にしょうもない嘘や、とっさの感情と行動で起こった事件ばかりで、アメリカだからと片付けられないと感じました。
この映画に何かを感じる人が世界中にいるという事は、どこの国でも欠点だらけの普通の人たちが事件を起こしてしまっている、そこをうまくコメディっぽくリアルな現実を描いてる気がします。
殺人委託ではなく、偽装誘拐で。^ ^