「笑うべきか? 怒るべきか?」ファーゴ 作務衣もんさんの映画レビュー(感想・評価)
笑うべきか? 怒るべきか?
笑うべきか? 怒るべきか?
そのどちらでもないような気も。感情の揺れを
コントロールされているような感覚に陥る掴みどころのないクライムムービー
自動車販売店の部長ランディガードは、裏稼業のコンビに「妻の誘拐」を依頼する
義理の父、そして勤める会社の社長でもある義父から身代金を騙し取るためだ
この狂言誘拐を発端にバタフライエフェクト的に不幸な事件が連鎖していき、出来事だけを見ていくと悲惨な物語なのだが不思議と悲痛な気持ちにはならない
それはやはりキャラクターの発する空気が大きいのだろう
とにかく小悪党すぎるランディガード
裏稼業コンビの片割れで、お喋りすぎる男
義理の息子を全く信用せず、狂言誘拐を成功させてくれない社長
そんな彼らがワチャワチャし続けているなか、コメディとも決められないのは作中一の悪役ゲアの存在によるもの
無口で犯罪に躊躇がない彼の行動は常に不気味で恐ろしい
そんな彼の存在が安易にコメディ映画として笑うことも許してくれないのだ
バッテリィズの漫才じゃないが、
「全部あらすじ分かったのに!」
そんな感覚を味わった
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