「無邪気さと悪意のミックス‼️」ファーゴ 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
無邪気さと悪意のミックス‼️
このコーエン兄弟の最高傑作で描かれるのは、偽装誘拐、殺人、詐欺、ミネソタ州、雪景色、変な訛りとおかしな人々、妊娠した警察署長‼️しかも一見サスペンス映画のようでありながら、ブラックコメディという調味料が大量にまぶしてあります‼️多額の借金を負った自動車セールスマンのジェリーが、自らの妻を偽装誘拐し、自動車業界の大物である妻の父親から身代金を騙し取ろうとする。知り合いから前科者二人を紹介してもらうが、彼らは誘拐の際、警官と目撃者を撃ち殺して殺人事件に発展させてしまい、事件の責任者として妊娠中の警察署長マージが捜査に当たるが・・・‼️雪の白一色の画面に徐々に車が現れる、しびれるようなオープニングシーンの素晴らしさ‼️登場人物も、どんどんドツボにハマっていくジェリーを始め、前科者コンビもホントにクレイジー、娘を助けたいけど無駄に金は出したくない父親、マージの夫もはじめは変わってるように見えるし、マージの知り合いの日系人が妻に死なれたと嘘をついて、マージを口説こうとする‼️白い雪に囲まれたミネソタ州で人間が狂気に染まり、それを通り越してブラック・ユーモアに浸かっているような世界観ですね‼️白昼堂々に行われる誘拐シーン、夜の雪景色の中で警官と目撃者の殺害シーン、屋上駐車場での身代金受け渡しのシーン、湖畔で前科者が相棒を "処理" してるシーンなど、サスペンスで、ホラーで、グロテスクなシーンもどこかユーモラスで笑ってしまう‼️キャラクターではやはりフランシス・マクドーマンド扮するマージが素晴らしい‼️二人の売春婦の話を聞くシーン、ジェリーにキレられるシーン、知り合いに説かれるシーンに見られる、目を丸くさせた不思議な表情で、作品の根底にある温かさに一役買ってる‼️前科者のピーター・ストーメアを誤送するシーンの「理解できない」と言うセリフが、この狂気な世界観への彼女のダメ出しでしょう‼️そしてラスト、ベッドの上で夫の描いた絵が3セント切手のデザインに採用された事を喜ぶ夫婦の会話シーンが素晴らしく、この狂気でブラック・コメディな世界観に一筋の光を与えてます‼️完璧な映画で、ホント大好きな映画ですね‼️