「うーん、面白いと思えない自分はダメですか?」ファーゴ うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
うーん、面白いと思えない自分はダメですか?
絶賛されたので、見てみたら、ちっともおもしろいと思えなかったという、自分の審美眼に問題があるんじゃないかと疑いたくなる一本。もっと自由に、面白くないと言えればいいのだけれど、コーエン兄弟に限っては、それは、映画の楽しみ方を知らない人、みたいな目で見られるんじゃないかと心配になり、つい、どこかに面白みを見つけては褒めようとする。
でも、出てくるのは中途半端な小悪党だったり、正義感に燃えてもいない警察署長が、妊娠中の母親だったり、計画が簡単に破たんしていったりと、いったい映画のなかで何が描きたいんだろうと、イライラが募っていった。ましてや、これを題材に連続ドラマを制作するなんて、正気の沙汰とは思えない。
「スリー・ビルボード」には感動したし、見終わってからもその余韻に浸っていたい不思議な気分を味わった。この映画が無ければ、それもなかったわけで、そういう意味で、今日のコーエン兄弟に評価を決定づけた作品として確固たる地位を築いたからそれでいいんだと思う。好きじゃないけど。
コメントする