劇場公開日 1994年8月20日

「【性的不能のために妻に去られた男が求めた”平等な関係性”。シニカルで、エロティックでそこはかとなく可笑しい作品。コミカル要素を絡めながら、平等な夫婦愛の再構築を求めた男の姿が印象的な作品でもある】」トリコロール 白の愛 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【性的不能のために妻に去られた男が求めた”平等な関係性”。シニカルで、エロティックでそこはかとなく可笑しい作品。コミカル要素を絡めながら、平等な夫婦愛の再構築を求めた男の姿が印象的な作品でもある】

2022年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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ー ポーランド人のカロルは、性的不能が原因でフランス人の妻・ドミニク(ジュリー・デルビー:エロティックな美しさは健在である。)から離婚を求められる。
  妻に捨てられた彼は一文無しになっていた時に知り合った同郷のミコワイの手引きで故郷に戻ると努力を重ね、大金持ちとなる。ー

◆感想 <Caution!  内容に触れています。>

 ・カロルが性の不一致を理由に、ドミニクに離婚調停を起こされるシーン。
 - 彼は、同じ美容師だった妻を深く愛しているのに・・。ドミニクの冷たい態度が、彼女がカロルを支配している事を示している。-

 ・偶然知り合った謎の男、同郷のミコワイ。”殺されたい男がいる”と、ミコワイが紹介した男。そして、カロルがその男の心臓に向けて撃った空砲。
 - ミコワイはその瞬間から、人が変わったように明るくなる。カロルのどん底にいた自分を救ってくれたミコワイへの感謝を示すシーンである。-

 ・カロルはミコワイによりポーランドに何とか帰国し、理容店を営む兄の家に同居し、両替屋で働くことに・・。そして、彼は両替屋を出し抜き、ミコワイの助力により大金持ちに。
 そして、彼は妻ドミニクを故郷に呼ぶため、あることを画策する。

<ラストシーンは、一見カロルのドミニクに対する復讐の様に見えるが、鉄格子沿いにドミニクが涙を流しながら、手話でカロルに伝えた事。
 それを見て、滂沱の如く涙を流すカロルの姿。
 夫婦の平等な関係性と愛の構築には、夜の営みと性の喜びは大切なんだねえ・・。
 コミカル要素を絡めながら、平等な夫婦愛の再構築を求めたカロルの姿が印象的な作品である。>

■当時の、フランスと、ポーランドの関係性を、カロルとドミニクの関係性に反映している作品でもある。

NOBU