特急二十世紀のレビュー・感想・評価
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ハワード・ホークス監督の娯楽作
著名な劇場オーナー兼演出家が無名女優を見出して舞台は成功して、二人は惹かれ合うものの別れた後、特急二十世紀という列車の中で再会して……というハワード・ホークス監督によるコメディ。 ハワード・ホークス監督が起用した(ホークス監督のまたいとこの)キャロル・ロンバードの出世作であるが、この映画の「無名女優を起用して有名女優になる」という内容に重なる起用方法であったと思う。 初めて観た時には、キャロル・ロンバードの金切声が耳に響いたが、慣れるとイイ感じかも…(笑) 劇場オーナー兼演出家オスカー・ジャッフェ(ジョン・バリモア)が新しい舞台公演に着ようしたのは素人のリリー(キャロル・ランバード)。 OJは彼女を「ダイヤの原石を磨けば…」という気持ちで彼女を指導して、リリーは大女優になる。この指導場面で「彼女が演じるための導線をチョークで書く」というあたりが楽しい。 OSと組んでいる男2人、シールを貼りまくる乗客の男など個性豊かな登場人物は、なかなか楽しませてくれる。 ハワード・ホークス監督が楽しませてくれる映画のひとつ。
スター誕生路線かと思いきや・・・
前半は大根役者だと蔑まれていたM・プロツカが“リリー・ガーランド”として大々的に売り出される展開。舞台演出家のオスカー・ジャフィー(ジョン・バリモア)も可笑しな人物で、演出は厳しく熱中するタイプだった。まるで思い付きのようにリリー・ガーランドを女優に仕立て上げたのだ。舞台も大成功。リリーは一躍大スターとなり、大富豪の仲間入り。しかし、自由を求めてハリウッドへと逃げ出すのだった。マックス、オリバー、オーウェンといった脇の人物も面白く、演技の幅を感じました。 しかし、後半は一転、スターを失ったオスカーは借金まみれとなり、ついには指名手配されるのだ。そして、逃げるように飛び乗った“特急二十世紀”。乗り合わせたオリバー、オーウェンとオスカーは今後のことを相談するが、“REPENT(悔い改めよ)”というシールを列車内に貼りまくる病人クラークが紛れ込んでいて珍道中を繰り返す。そんな列車にハリウッドでも成功していたリリーが新恋人と一緒に乗り込んでいたため、三銃士はもう一度リリーと契約しようと画策するのだった。 コメディ色は列車に乗るところから強くなり、オスカーの奇行にもうんざりするくらいドタバタとなる。リリーだけは大女優として毅然としているのだが、オスカーの画策によって混乱。さらに、彼らが恋人同士だったことも明らかにされ、演出のため尻に刺された針を大事に持っていたという伏線もある。とりあえず無事に着地したエンディングは面白かった。30~40年頃にハリウッドで流行ったスクリューボール・コメディの中の1本。
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