「【”大統領は国民の僕であるべき。”今作は愚かしき現大統領が浮気中に倒れ、替え玉のソックリ男が民の目線で行う数々の施策と、冷え切っていた大統領夫人と恋に落ちる様を描いたヒューマンドラマである。】」デーヴ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”大統領は国民の僕であるべき。”今作は愚かしき現大統領が浮気中に倒れ、替え玉のソックリ男が民の目線で行う数々の施策と、冷え切っていた大統領夫人と恋に落ちる様を描いたヒューマンドラマである。】
ー ここ数カ月、仕事から帰りニュースを見ると、不機嫌になる。
現アメリカを統べる、若き頃アンフェタミンを常用していたために、怒りっぽく、情緒不安定で、世界で自分が一番偉いと勘違いし、ノーベル平和賞を狙っているオレンジ色の顔の男のニュースを頻繁に見るからである。
今作の、替え玉デーブ(ケヴィン・クライン)と、代わってくれないかな・・、と真面目に思うのである。-
■職業紹介所を経営するデーヴ・コーヴィックは、アメリカ大統領ビルに瓜二つであった。その容姿が政府役人の目に留まり、一夜限りで替玉を依頼される。だが、大統領が浮気中に突然倒れて意識不明の重体に陥ったため、デーヴはそのまま大統領を演じ続けることになってしまう。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・デーヴ・コーヴィックが、大統領になって行った国民目線の施策。
1.ホームレスの子供達の施設運営費6億5千万ドルを、職業紹介所の友人からアドバイスされ国防費などから捻出。
2.全失業者に仕事の供給をする。予算は失業手当を担保に捻出。
これが、実に良く考えられているのである。今でも実現可能ではないだろうか。
・そんなデーヴ・コーヴィックを、冷え切っていた夫アメリカ大統領ビルの替え玉と見破りつつ、彼の人間性溢れる姿に惹かれて行くエレン大統領愚人(シガニー・ウィーバー)。ビルが倒れた時には、眉一つ動かさずに”死ねばいいのに!”と言いきった姿も可笑しい。
・そして、デーヴ・コーヴィックは、多くの国民、マスコミに指示されていくのである。彼は言う。”票獲得のために動くのではない。大統領は国民の僕であるべき。”と。
■腹心のボブ首席補佐官の操り人形から、彼に首を言い渡し、ボブ自身が行っていた汚職を擦り付け、蹴落とそうとしていた副大統領ナンス(ベン・キングズレー)が実は有能な男と知ったデーヴ・コーヴィックが決意した事。
それは、アメリカ大統領ビル(デーヴ・コーヴィックではない)とボブが行っていた事を国民に明かし、演説途中で倒れ、コッソリ元職の職業紹介所に戻る事だった。
<そして、アメリカ大統領ビルは亡き人になり、デーヴ・コーヴィックが職業紹介所で、忙しく働いていた時にラフな格好でやって来たエレン。
二人は、微笑みあって、事務所の奥でキスを交わすのであった。
今作は愚かしき現大統領が浮気中に倒れ、替え玉のソックリ男が民の目線で行う数々の施策と、冷え切っていた大統領夫人と恋に落ちる様を描いたヒューマンドラマなのである。>