「18年ぶりのリバイバル上映。やはり密室サスペンスコメディの最高峰!」キサラギ 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
18年ぶりのリバイバル上映。やはり密室サスペンスコメディの最高峰!
「キサラギ」(2007)
2007年の初公開から18年ぶりのリバイバル上映。
今では脚本家満足度ランキング堂々1位の古沢良太氏の実写映画脚本2作目。
自殺したアイドル・如月ミキの一周忌にファンサイトを通じて集まった5人の男が徐々に明らかになる当時の状況から推理を繰り広げ、真相を究明する密室推理劇。
公開当時の2007年といえば「AKB48」が誕生してアイドルがより身近になり、SNSもYouTube、Twitterは産声をあげたくらいで「2ちゃんねる」のような匿名掲示板が盛んでテーマとしては当時の旬のネタ、空気感も実に懐かしかったですね。
一周忌に集まったハンドルネームの家元(演:小栗旬氏)、オダ・ユージ(演:ユースケ・サンタマリア氏)、スネーク(演:小出恵介氏)、安男(演:塚地武雅)、いちご娘。(演:香川照之)の5人の男たちの個性派ぞろいの強烈なキャラクター(キャスティング)、事件の真相に迫るにつれて次第に暴かれる5人の素性の驚き(アハ体験)、密室サスペンスのスタイルをとりながら、息をつかせぬドタバタコメディでトコトン笑わせて、そしてハートウォーミングなラストで涙…。
密室(ワンシチュエーション)にも関わらず、テンポ良く飽きさせない佐藤祐市監督の演出力も素晴らしいですが、とにかく古沢良太氏の脚本が惚れ惚れするぐらい抜群で抱腹絶倒。
『外事警察』『リーガル・ハイ』『コンフィデンスマンJP』のファンにはぜひ観て欲しいですね。
密室劇としては『12人の優しい日本人』(1991)に比肩する傑作、今回のリバイバル上映を機にぜひ多くの人にこの作品の面白さを共有、共感したいですね。
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