劇場公開日 2007年6月16日

「疲れたくない夜のつまみに」キサラギ 梅さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0疲れたくない夜のつまみに

2017年7月23日
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笑える

楽しい

単純

大作は喜怒哀楽の高低差があり、就寝前の一人飲みのお供としては日を選ぶ。
その点、この作品は気楽に観たい夜には最適で既に何度も借りて観ている。

登場人物は少なく、場面も変わらないため、頭を使わず楽しめるのがいい。
途中途中でコマ送りになる描写が漫画的で、いいスパイスとなり飽きさせない。

内容はB級アイドルの死により集まった男たちの、素人展開の稚拙な推理劇。
全ての情報が後出しであるが故に、くだらなく二転三転する推理にこちらは振り回されるのみ。
だが、その身勝手なくだらなさが面白い。
むしろそれを楽しめなければ、これを観る意味がない。

形容としてわかりにくいかとも思うが、自分はこれを見るたびに何故か板尾創路を思い出す。
彼の空気感に近い気がするので、板尾好きにはお薦めしたい。

場面転換が皆無ということで、当然この作品はキャラクター重視。
台詞と間の遊びを楽しむ、いわば演劇映画である。
そのためTHE映画を求めるのなら選択肢から外すべき。

わかりやすい設定を与えられた役者陣による、くだらなくも熱意と愛のある喜怒哀楽推理劇を
気楽に気楽に眺め観ながら、1日の疲れをほぐしてみてはどうか。

梅