「女性賛歌」ボルベール 帰郷 映画イノッチさんの映画レビュー(感想・評価)
女性賛歌
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猛烈な風の中、墓石を磨く多くの女性達の姿から
この映画は始まります
スペインはカトリックの国で土葬が主なのに
墓石には、家族名が書かれることもあるなんて!
お盆のように「諸聖人の日11/1」には、墓地を訪れて清掃し、
花を供える習慣も日本との共通点があり、親しみを感じる
主役のライムンダ(ペネロペ・クルス)は、義父に犯され妊娠
その娘も義父に犯されそうになる
なんとも男運のない女性だけれど、美人だからそうなったのか?
呪われた一族の運命なのか
『ラ・マンチャの男』というイメージからは
連想しにくいけれど、仕事だけでなく性に対してもだらしのない男・・・
それに反して、逞しく生き抜く女性の強さを描き
女性への賛歌にあふれた作品である
役作りのために“付け尻”を付けて、更に数キロ太ったペネロペは
当時はおろか、今でもTOP女優の1人である
しかもスペイン語、英語、イタリア語、フランス語が堪能で、才色兼備そのもの
名だたるTOP男優(マット・デイモン、トム・クルーズ、ニコラス・ケイジ、マシュー・マコノヒー)との交際歴は、映画とは真逆である
映画の中でペネロペが歌う〈帰郷〉もとても上手くて魂に響きます
ここのシーンだけで泣ける
ガウディを始め建築物で有名なスペインだけど
田舎の家にも、美しいタイルの壁がセンスの良さを表わしていた
また一瞬しか写らないけれど、陶器の壁掛け皿もさりげなくて可愛らしい
生活にアートが溶け込んでいるのが分かって、そこに注目してみるのも面白い
個人的には、渋くてアンティークな家の入口ドアが気に入った
PS スペインで20年以上前に、既に発電用風車が大量に設置されていたことは衝撃的でした
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