劇場公開日 2007年6月30日

「ものすごかった」ボルベール 帰郷 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ものすごかった

2023年5月5日
iPhoneアプリから投稿

アルモドバルはどうしてこうも
入り組んだ物語を上手く構成できるのだろう。

私的にかなり飲み込みが難しくて
入り組んでいるように感じるのだが。

いつだって予期せぬ展開を見せられる。
本当に想像もできない。
(結末を知って、冒頭に戻れば、そういうことか、とわかるのだけど)

今作も、
ボケた叔母の死と、娘の父殺しが
こんな形で繋がるなんて思いも寄らなかった。
自分の母親と同じ立場になった娘が、
母親の気持ちを理解していく。
その過程がうまかったし、他の登場人物も
余すことなく、取りこぼさず描き切っていた。
しかし、料理屋の男の件はなんだったんだろう、
あの映画クルーたちはただのモブなのね。

特にお気に入りのキャラクターは、
姉のお友達?の嬢の女性。
あのワゴンで川に行くまでの軽妙な会話。
どちらも必要以上に踏み込まない関係性なのが、
大人でもあるし、信頼の証でも会って、よかったですな。
会話もお洒落だったよ。

「幽霊は泣かないんだから」

それにしても
ペネロペ・クルスのあの神秘的なお顔と瞳はすごい。

JYARI