劇場公開日 2010年6月19日

「もう少し裏選対など選挙の側面と落選するかもという危機感を描いて欲しかったです。ヤマさんは恵まれていますよ。」選挙 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5もう少し裏選対など選挙の側面と落選するかもという危機感を描いて欲しかったです。ヤマさんは恵まれていますよ。

2009年7月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 想田和弘監督の観察映画第二弾となる『精神』の公開の先駆けとして、本作が渋谷ライズエックスで異例の再公開となった次第。事前試写会では、山内和彦議員本人とともにホリエモンも特別参加して、自らの郵政選挙参戦の裏話を語るなど、結構イベントとしては、盛り上がりました。

 けれども映画としては、2005年の小泉時代真っ盛りの中で、ただ改革オンリーを主張する山内候補の主張に、一時代まえを思わせる古さを感じてしまい馴染めませんでしたね。 ただお断りしておくと、小地蔵は熱狂的な小泉ファンなのです。そんな小地蔵でも、今という視点で見ると、ギャップを感じます。

 それと2003年の総選挙で弱小事務所の選挙秘書を経験しているので、そういう目からすると、山内候補の悪戦苦闘ぶりが恵まれすぎているように思えるのです。自民党の公認で、地元代議士や大物の応援も得て、駅前に立派な選挙事務所も構えているなど、落選するかもという危機感が希薄なところが、本作の弱点でしょう。

 観察映画の手法のためか、時系列に順撮りし、ストレートに記録しているところも単調に見えてしまいます。もう少し、保守系陣営の裏側にある裏選対の活動まで食い込めばおもしろかったんですがねぇ。

 それでも、普段政治に触れていない人が本作をみれば、結構知らないことの連続で、好奇心を満たされるしれません。またこれから立候補を考えているひとには、どんな活動をすればいいのか、マニュアルとして参考にはなることでしょう。

 一介の切手コレクターから議員となった山内氏のサクセスストーリーを見ていくと、割と誰にでも政治家へ転身するチャンスは転がっているものだと思うようになるかもしれません。

 ぜひトライしてみませんか?

流山の小地蔵