アパートメントのレビュー・感想・評価
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自宅で鑑賞。韓国産、原題"아파트(英題"Apartment"・国際版タイトル"Apt.")"。WEB上で連載していたK.プルの漫画が原作。Jホラーの影響が色濃く、どこかで観聴きしたなのを詰め合わせた一作。裏をかこうとするあまり、ミスリードを誘う布石やツイスト(冒頭のTV映像や長髪と云う伏線を含めたK.ドンウクの“シン・ジョンス”はこの為だけの特にいびつな存在)等を次々投入したが故、最終的に全体を振り返ると、整合性を欠いた綻びが際立ち、ご都合主義的な破綻気味の物語と映ってしまった。好みの作風だけに厳し目の評価。60/100点。
・二転三転し一筋縄では行かないストーリーは一見魅力的だが、諸刃の剣の一面もある。善意から発した行為が徐々に愚行へと変貌を遂げる人間の厭らしさにウエイトを置き、その部分をもう少し丁寧に描けば、怨みに至る業の深さや人間の卑しさ、偽善等が浮き彫りとなり、作品の深みや共感性が増した違ったテーマ性を持った重い一作になったと思われる。
・序盤からラスト迄、不穏な空気感が充満しており、不気味な雰囲気が常に醸し出されていた。人の死に様が独特であるが、その必然性は希薄で、特異性のみが目立ってしまい、唐突に思えるシーンが散見出来た。その結果、余り深く考えず、謎解きもそこそこにぼんやり眺める分には良い一作かもしれないが、ミステリーやホラーとしては物足りなく感じしまう事となってしまった。
・前半で拘りを持たせたアイテムのカッターナイフも地下鉄事故以降ぞんざいになり、マンションの消灯(何故消灯すると命が危ないのか判らない)もPM09:56を導き出す現象としてしか意味をなさず、思い出した様に赤いドレスがクライマックスで持ち出されたり、常に一貫性が感じられず、恐怖の表層をなぞっただけの日和見的な展開に翻弄された感が強く、マイナスイメージが大きい。
・そもそも物語のきっかけとなる“ユミン”こと笛木優子の赤い服を着た“キム”が何故K.ソヨン演じる主人公“オ・セジン”と接触をはかった(知って欲しかったから?)か、そして最終的には(復讐を阻止しようとした為か、忘れ去られるの許せないからか)この主人公迄、恨んでしまうのは余りにも不自然に思えた。
・鑑賞日:2017年11月12日(日)
日本語の“ひきこもり”が韓国でも使われるようになった・・・
韓国で100万人動員したという、『ボイス』『コックリさん』のアン・ビョンギ監督作品。「世界最恐のノンストップ・グラッジスリラー」などという宣伝文句もついているのですが、“グラッジ”ってなんだ?と思っていたら、ハリウッド版『呪怨』の英語タイトルでした。そういえば、映画で使われていた効果音がトシオの発する歯ぎしりのような音とソックリでした。トシオのボイスにソックリさんということなんですね・・・
特別出演として笛木優子も出演してたりするのですが、地下鉄で自殺を図る女性役だったこともあり、電車に飛び込むのは日本人の特権なのかもしれないと感じてしまいます。“ひきこもり”という裏のテーマや、『呪怨』の効果音、『リング』の映像など、日本の影響がかなり見受けられる映画だったのです。
午後9時56分に同じマンションの住人が自殺する事件が連続する。それを目撃する女性セジン(コ・ソヨン)。ノイローゼ気味となり仕事も辞めてしまうのですが、足の不自由な少女ユヨン(チャン・ヒジン)と仲良くなり、事件を食い止めようと努力する展開となります。そして赤い服を着た髪の長い幽霊(?)の存在、少女にもらったキュービックパズルとマンションの関係、意外な方向へと進むストーリーだったのですが、映像の謎を理解するのに一苦労しました。
幽霊の正体が実は・・・といった展開には驚愕とともに、わずかながらの失笑。怖さよりもフィルム編集の上手さに感心させられるし、もう一人登場する女子高生の存在が謎として残る不可解さ。技術的には完成度が高いのかもしれないけど、ストーリーをもっとスッキリさせてほしかった。
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