「B級感が半端ない、『ロボコップ』と『デッドプール』と『ダークナイト』が合わさったようなアンチヒーロー映画」ダークマン 阿久津竜斗さんの映画レビュー(感想・評価)
B級感が半端ない、『ロボコップ』と『デッドプール』と『ダークナイト』が合わさったようなアンチヒーロー映画
監督はかの有名な、初代『スパイダーマン』三部作を監督したサム・ライミ。彼が初めて手掛けたスーパーヒーロー映画ということで観てみたのですが、個人的にはあまり「スーパーヒーロー映画感」がしませんでした。
どうしても私の中では、「スーパーヒーローと言えば、人々を助けてなんぼ」みたいな固定観念があるのです。なんで、人々を救うどころか逆に迷惑をかけまくったダークマンは、どーしても「スーパーヒーロー」っていう感じがしないんですよね。
まぁ、でもこれはこれで「〝復讐の鬼〟と化したダークヒーロー」って感じで好きです。
ところで私は、タイトルに書いた三つのスーパーヒーロー映画に、今作はとても似ていると思います。
「主人公が悪人たちに復讐を果たす」という点で『ロボコップ』(『デッドプール』も当てはまりますね)。
「主人公が醜い姿となり、恋人と疎遠になる」という点で『デッドプール』。
「主人公が一人去っていき、物語が閉じる」という点で『ダークナイト』。
そして三作とこの『ダークマン』という作品は、〝復讐〟というテーマが共通しています。
やはり復讐心という〝怒り〟を原動力に、スーパーヒーローという存在は出来上がるのだと思います。……と言って復讐のないスーパーヒーロー映画もありますけどね。
ちょっとB級感強すぎて、退屈してしまう部分も正直ありましたが、容赦のない復讐の物語を楽しめる、素晴らしいアンチヒーロー映画だと思います。
私は誰かであり、誰でもない。
どこにでもいて、どこにもいない。
〝ダークマン〟と呼んでくれ。
────ラスト、ダークマンが残した言葉より