劇場公開日 1988年10月1日

「政治信条と子供の将来との家族の葛藤に涙が…」旅立ちの時 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0政治信条と子供の将来との家族の葛藤に涙が…

2022年11月7日
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これまで多くのシドニー・ルメット監督作品
を鑑賞してきたが、
彼の描く世界の多くは、
「セルピコ」などに代表される
“社会正義と組織の腐敗”のイメージだった。
しかし、この作品は
珍しく“社会正義と家族の絆”にスポットを
当てた作品と言えるのかもしれない。

ところで、1988年のロードショー時に
購入したパンフレット作品タイトルは、
「旅立ちの時」ではなく
「リバー・フェニックス 旅立ちの時」との
表記。
映画冒頭のタイトルバックでは
メインキャストの母親役の
次の表示なのだが。
僅か23歳で早世した彼が
いかに期待の若手俳優だったかが
想像出来る。
その後、弟のホアキン・フェニックスが
「ジョーカー」でアカデミー主演男優賞を受賞
したことからも、
美しさを絵に描いたような兄リバーが
どんな俳優に成長していたかにも
思いが至るし、
ジェームス・デーンを彷彿させるような
悲劇の俳優の一人にも思える。

だから、私も短い期間に彼の出演作品
「スタンド・バイ・ミー」
「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」
「マイ・プライベート・アイダホ」
を劇場鑑賞出来ていたのは
幸運だったのかも知れない。

過激な反戦活動の結果、犯罪者となり、
子供達へも逃亡生活を強いる両親が、
最後は子供の将来人生を優先するまでの
家族全員の心の変遷を丁寧に描いた秀作。
携帯電話も無い情報環境の低い時代の話では
あるものの、
子供を転校させながらの逃亡生活に
リアリティがあるのかは分からないが、
私は、政治信条と子供の将来との家族の葛藤
に涙が禁じ得ず、
特に母親の子供への想いと共に、
父親の信念を捨てることのない中での
決断にも感動を覚えた。

キネマ旬報では、第53位の評価ながら、
私には心に残るルメット監督の作品の一つ。

因みに私のルメット監督ベストワン作品は、
「プリンス・オブ・シティ」です。

KENZO一級建築士事務所
りかさんのコメント
2023年10月1日

家庭の事情で、転入して来ても、要録などの書類を作らなかったり、そういう子は、1ヶ月足らずでまた転出していきます。また電話で在籍確認して来ても、居ない、ことにするぐらいは、たまにありますが、犯罪者は、さすがにどうなのでしょう?
隠し通せるか、ですよね。
子供が可哀想でしたが、ラスト、
良かったです。😊

りか
りかさんのコメント
2023年10月1日

コメントいただきましてありがとうございました😊
『リトルダンサー』良い作品をご紹介していただきましてありがとうございました😊
機会がありましたら是非観たいと思います。

りか
りかさんのコメント
2023年10月1日

『スタンド•バイ•ミー』等、劇場で鑑賞されたのは、幸せです❣️
その際のパンフレットに、リバー•フェニックスの名前が書いてあったのですね。亡くならなかったら、現在までそのままだったのでは?何度か来日もされているんですね。本作、このリバー演じる長男の健気さ、に目を奪われました。 母親も父親も変わらないと
親じゃない、と思いました。
最後、やっと、ホッ、でした。🍀

りか