「【テヘランから来たTVクルーの男が、クルド人の村で行われる葬送の儀式を撮る前に、”自然に流れに身を委ね”生きる人々の姿から徐々に学び、実践した尊き事を、豊かなイランの自然を背景に描き出した作品。】」風が吹くまま NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【テヘランから来たTVクルーの男が、クルド人の村で行われる葬送の儀式を撮る前に、”自然に流れに身を委ね”生きる人々の姿から徐々に学び、実践した尊き事を、豊かなイランの自然を背景に描き出した作品。】
ー TVクルーのべーザードは、クルド人が
住む村で行われている葬送を撮りに、都会から、単身乗り込んで来る。
だが、葬送がナカナカ行われない中、都会から来たベーザードは、無垢なる村人たちの自然と共に生きる姿に、徐々に感化されていく。ー
◆感想
・誰が見ても分かる、ベーザードの上司と思われる男から頻繁に携帯にかかって来る電話。
”何時になったら、画が取れるんだ!”
と言っている感じが伝わってくるが、電波が届かないために、電話がかかってくる度に、車でくねくね道を上り、電話を繋げるベーザードの姿。
ー アッバス・キアロスタミ監督の、
”何が本当に幸せなのか、文明の利器とは只、人間を不自由にしているだけではないのか!”
と言うメッセージが良く伝わって来る。
このシーンは、今作で何度も描かれる。ー
・村の多産な女性達の生き生きとした姿。
・牛乳を求めたべーザードに対し、お金を受け取らない村人たちの姿。
ー 互助精神ではないが、困った人にモノを与える事は当たり前という、文化度の高さが、垣間見える。ー
<そんな中、画を撮るよりも大切な事があると悟った、べーザードが行った、尊崇な行為。
アッバス・キアロスタミ監督の人間性の善性を基にしたドキュメンタリータッチの映画構成が素晴しい作品。
ラスト、自らの車を村人に貸し与え、医者が運転するボロッチイバイクに二人乗りしながら、交わす会話も素晴らしき作品である。>
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