うつせみのレビュー・感想・評価
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夢の中
静かで幻想的なラブストーリー。韓国映画らしさはあまり感じられなかった。
最後の‘私たちが住んでいるこの世が夢なのか現実なのか誰にもわからない’とテロップが流れ映画をより幻想的なものとしたと思う。
無断で留守宅に住み着く男が主人公。男はずっと無言で、空き家に入ると音楽を掛け洗濯をし、料理をし寝る。人がいないと寛げるのだ。ある家で心の中に空洞をもつ女と出会い一緒に行動するうちに愛し合うことになる。
所々に暴力が出てくる。それはゴルフクラブ、ゴルフボール、ピストル、ボクシング。
暴力のある中では二人は静かに姿をひそめる。
映像も美しく良い雰囲気の映画だった。
最後に熱くなる男女の愛、静が多いけど、そこが魅力。
「嘆きのピエタ」でもおなじみのキム・ギドク監督の作品。
パッケージがエロティックでこれは官能なのか?と、期待させるが
ストーリーはしっとりと、
最後の最後ですごく熱いものを感じる、大人向けの作品な印象です。
夫にDVを受けている妻と、留守部屋に侵入を繰り返す若い男。
妻の家に侵入するも、偶然居合わせて・・・
そこへ、夫が帰ってきて・・・
男は夫のDVが許せないのか、ゴルフボールでボコボコにしちゃう。
そして、痛々しい・・・妻と一緒に逃避行・・・
留守部屋を見つけては侵入を繰り返す。
窃盗をするわけでもない。
一晩、人の家でご飯を食べたり、洗濯したり、普通の生活をするだけ。
女も男に徐々に心を開いていくのだが・・・
ある事件をきっかけに、2人とも逮捕・・・
女はDV夫に引き取られ、
男は刑務所での生活。
ここからが、すごく不思議で・・・
男は気配を消す訓練を密かにしていたのか
出所まで、とにかく粘る・・・
一方、女も彼の帰りを待っているような、孤独な毎日。
夫とは相変わらず、うまくいっていない・・・
とうとう、出所の日がきて・・・
男は今まで侵入してきた部屋をまた訪ねていく。
でも、そこには家主もいるが、みんな気配だけを感じて男の姿を見れない。
とうとう、女の家に戻ってきた男。
女にしか見えない彼の姿・・・
夫越しにキスするシーンはすっごく良くって
2人の純愛を感じた。
2人だけにしかわからない世界。
でも、女はすべてが満たされているような素敵な笑顔。
ずっと、愛おしい彼が気配だけで
ぞばにいてくれるから・・・
ストーリー後半の演出にとても感激しました。
割と、セリフも少ないんですが
そこが魅力的で
しっとりしています。
この勢いで
「嘆きのピエタ」見に行きたいわ。
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