「難解な映画だったので未だまとまっていないが,現時点で引っかかってい...」新宿泥棒日記 しょうけらさんの映画レビュー(感想・評価)
難解な映画だったので未だまとまっていないが,現時点で引っかかってい...
難解な映画だったので未だまとまっていないが,現時点で引っかかっていることを書く.時間のことについて作中で度々描写されていた.初めのタイトルコールのあたりで,ラジオの天気についての放送のような形で世界の時刻が表示される.あれは共産主義の運動が世界的に起こっていることを表現していたのだろうか.続いて,パリの時刻が表示された後にドゴールが勝利するという記述が出てくるが,続いての酒場のシーンでは日の丸が描かれた球体がぱっくり問われてその間から時計が覗いている.その時計をウメ子が割るという描写があった.思えばタイトルの時にも,3時を指していた時計の針をむしる描写があった.歴史の終わりという事だろうか.進歩史観が持ちこたえられなくなって,そこから何が起こるのか.大島渚の他の作品の中にも時折顔を出すこの問いかけ.その中で性についての物語を,男女の違いという事をテーマとして映し出した,という解釈をすることもできるだろう.しかしやはり,分からないことだらけだ.
コメントする