神経衰弱ぎりぎりの女たちのレビュー・感想・評価
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【女好き過ぎる初老の男に振り回される女達を描くブラックコメディ。ガスパチョにそんなに睡眠薬を入れては、イケマセン・・。】
■同棲中の男・イヴァンに姿を消されたペパ。
思い出の詰まった家に1人で暮らすことに耐えられなくなった彼女は部屋を貸すことを決意する。
だがその後自らの妊娠とイヴァンの新恋人の存在を知り、悩みを深くする。
ある日カップルが部屋を借りたいと訪ねてくるが、それがイヴァンの息子であったことから…。
◆感想
・今や大家のペドロ・アルモドバル監督が、こんなにブラックシュールなコメディを作っていたとは・・。
作風が広いなあ・・。
・電話の描き方も、シニカルで・・。
”電話じゃ、真意は伝わらないよ・・。”
<イヴァンの息子の恋人を演じた、ロッシ・デ・パルマの見事な鷲鼻は、矢張り傑出しています。
浮気症の男に翻弄される女たちの内面を、アルモドバルならではの切り口で表出させたスパイシーな佳作である。>
神経衰弱ギリギリのようで実はしぶとい女たち。シチュエーション・コメディの形を借りたモルドバルの女性讃歌かな。
①はじめは男に去られたヒロインが支離滅裂に見える行動を取る様を描く一方で、他の関係者の動きも点描していて、何のこっちゃと思っていたら、バラバラに描かれていた殆どの関係者をヒロインの住むマンションに集めてくる脚本と演出が巧い。刑事も参加してそこから起こるドタバタが傑作!その上空港までのカーチェイスもあるのだからサービス満点。ラスト、ヒロインが何故別れた男と必死で連絡を取ろうとしていたのかの理由が分かることも含め全ての伏線が回収されるのも鮮やか。②
アルモドバルのビビッドな色彩と昭和を思わすドタバタ劇
好みは分かれるかもしれない。
スペイン映画の巨匠アルモドバルならではの、画面にちりばめられたビビッドな色彩。特に「赤」。これを楽しむ気持ちで見ると結構ウキウキしてくる。ストーリー展開は一見シリアスだけど、どこか昭和のドタバタ劇風で会話もバトルが続く。
それにしてもマドリッドの女性たちは感情表現と行動が過激。スペイン語も南米と違って機関銃のよう。それに加えて男たちは控えめに見える。若い時のアントニオ・バンデラスも個性の強い女性たちの間ではまだひ弱な感じ。
スペイン映画は好きなので、このテイストが気に入れば楽しめますよ。
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