「悲しい家族と昭和の時代」少年(1969) M.Joeさんの映画レビュー(感想・評価)
悲しい家族と昭和の時代
クリックして本文を読む
車への当たり屋で金を稼ぎ、高知から北海道まで日本海側を転々とする親子4人。その手口は手馴れたもの。少年とは10歳の男の子で母親の当たりを見て自らもやることに。継母であるが、冷静に甘えることもなく、暴れることもなく、両親に従っている。両親とも離婚経験や親子関係が悪く育っており、貧しい荒れた生活は引き継がれていくのか。
雪の深いある日家族喧嘩の中、少年の弟が道路に飛び出しそれを避けようとした車が横転して事故。乗っていた少女が死亡する。それは少年のみが目撃する。このシーンがそんなに衝撃的に描かれていなくて、横転して止まった様子で事故死になるような状況でないのが、印象を薄くしているが。
この後も夫婦は別れるとか当たり屋はやめるとか、少年をめぐって喧嘩を繰り返す。少年はそこを飛び出し雪の深い道を自分が死んだらいいと歩き出すが、その後を小さな弟が追いかけてくる。二人で雪の中、語るシーンが何とも切ない。アンドロメダとつぶやく弟。
結局、警察に逮捕されてしまう家族であるが、少年はあくまで嘘をつきやっていないという。
2013年11月09日@広島市映像文化ライブラリー
コメントする