アイ・スパイ : 映画評論・批評
2003年4月15日更新
2003年4月26日よりみゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー
エディ・マーフィが異業種スパイに挑戦
007からゾルゲまで、ブームと呼んでもいいほどの近頃のスパイ映画。その終着点というべきか、ついにエディ・マーフィまでもがスパイ役デビュー。とはいえ、そこはキャラクターに一ひねり。ボクシングの現役チャンピオンと兼業という不思議な役柄で、女好きのビッグ・マウスぶりを楽しそうに演じている。
実はこの「アイ・スパイ」、60年代にオンエアされた米の同名TVシリーズのリメイクで、オリジナル版はプロテニス選手がスパイにという設定。もともとマーフィがボクシング経験者だったこともあり、今回は設定が変更された(させられた?)。
また相棒エージェントには「ザ・ロイヤル・テネンバウムス」の脚本や「ズーランダー」の怪演が印象的なオーウェン・ウィルソン。才人として人気上昇中の彼だが(ちなみに奥さんはジーナ・ガーション)、今回は同僚の女性に片思いのB級エージェント役というだけに、今ひとつハジケない印象。あのルックスでアホなのが持ち味のはずなのに。
ただしキャラが好対照な2人だからこそ掛け合いはリズミカル、プラハとウズベキスタンが舞台という地味派手なアクションを補っているコンビぶりだ。最後の戦闘機のオチには苦笑いだが、最近のマーフィ映画の中では最もいい出来の作品だ。
(編集部)