劇場公開日 2007年2月10日

「さらっとじんわり残ります」あなたになら言える秘密のこと あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5さらっとじんわり残ります

2008年7月10日

泣ける

悲しい

怖い

なにも考えず、DVDの裏の解説も読まずにてっきりコメディ映画だと思って借りたら、実はシリアスな社会派ヒューマンドラマでした。しかも今知って驚いたのが、製作にアルモドバルが絡んでること。

舞台は海の上の油田所で、「イングリッシュ・ペィショント」のように事故によって失明した患者と看護する女、そしてそこで働くはぐれ者たちの心のふれあいがストーリーの軸になっています。女は耳が不自由で、しかもほとんど自分のことを語ろうとしない。そして、その過去が最後のほうで一気に明るみになっていく。

社会からはみでた周縁の人を描いた映画ですが、この手の作品にありがちな独りよがりさはまったくなく、説教くさいわけでもなく、淡々としたタッチで描かれています。それは、あくまで「心のふれあい」に主眼を置いたからではないでしょうか。サラ・ポーリーという女優さんはちゃんとインプットされました。そして、ティム・ロビンスって相変わらず無愛想だけど、いい俳優だと思いました。

不思議とさわやかな作品でした。

あんゆ~る