劇場公開日 2019年10月11日

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「刹那的享楽に走る青春への回顧と鎮魂歌」さらば青春の光 Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0刹那的享楽に走る青春への回顧と鎮魂歌

2021年7月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

何と惨めな青春だろう。こんなに生きて行くことの虚しさを見せつけられたのは、生まれて初めての経験である。今までも残酷で悲劇的でやりきれない青春映画をいくらでも観てきているのに、この作品の主人公を観て最も救われない若者ではないか、と唖然とした。日本題名から受けるセンチメンタルな感傷はない。刹那的な恋愛、友情、憧憬、対立と、最後の挫折の映画。当時のファッションや派手なデコレーションのスクーターでのドライブなどの映像としての面白さ、ゲスト出演のスティングの役者振りもあるが、全てはラストシーンで消え失せてしまった。そんな青春の回顧と鎮魂歌なのだろう。脚本・演出には感心することなく鑑賞したが、映画のインパクトは強烈だった。
  1980年 4月25日  銀座文化2

Gustav