サイレン（2016）のレビュー・感想・評価

アマゾンプライムで配信された2016年のホラー映画。本作は、2012年に製作された異色のホラー大作、「V/H/S シンドローム」の一話を主体にして描く、スピンオフ作だ。当時は「Amateur night」のタイトルで、序盤一発目を飾った。本作を見ると、怪物役の女優は同じ人物で、共通の描写やテーマが盛り込まれている。

ファンとしては嬉しいのだが、ストーリーが陳腐であり、主人公らは知能指数が極めて低い連中ばかりだ。この手の作品に学を求めてはいけないが、行動がバカすぎて感情移入にはほど遠く感じる。
悪魔崇拝等の描写があり、ある儀式によって彼女が生まれたのも分かったが、なんせ説明不足な感じは否めず、消化不良気味である。
怪物の完成度は向上した気がするが、劇場未公開作品につき、チープなところはチープである。分かりやすいストーリーには間違いないが結局なんなのかがはっきりしないまま終わるのが残念だった。
他作品の二番煎じになってしまうが、結婚を控えた青年と、悲惨な境遇におかれる真っ直ぐな心を持った怪物の恋にも似た逃避行等にして欲しかった。「V/H/S シンドローム」では強烈なインパクトを残した彼女には、こういう出来事があった(もしくはこれから起こる)という呈にして、心揺さぶる緻密なドラマを見せて欲しかった。

なぜこの作品のみ映像化されたのか、他の作品も順次スピンオフ化するのかは不明だが、「V/H/S」ファンは要チェックしておいた方が良いだろう。

悪魔崇拝なのか、なんなのか、内容が何を伝えたいのか、わからない。
ただ、悪魔？の女の子のクオリティーは、割と高めでよかった。