「テロリストを潰すテロリストを描く娯楽アクション」ソードフィッシュ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
テロリストを潰すテロリストを描く娯楽アクション
総合:70点
ストーリー: 65
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 75
音楽: 65
アメリカを守りテロリストを壊滅するためには何をしてもかまわない。法律など無視するし人名も含めて多少の犠牲もやむを得ない。ジョン・トラボルタ演じるガブリエルのその考えがもうテロリストと同じなのだということに少しばかりは違和感を覚える。彼は悪役で犯罪を犯すことが前提となっているとはいえ、どことなくアメリカを守っている正義の味方をほのめかす映画の結末になっているからだ。
実際に国家としてそのようなことはアメリカに限らずどこでも普通にやっているのだろうし、テロリスト相手に正攻法が通用するとも思わない。だからここで必ずしも奇麗事を言うつもりはないのだが、もうちょっと違う描き方があったのではないかと感じる。そのあたりの物語の主題の単純さとかちょっとB級ぽい。
だがこの映画はアクションを楽しむものだと思って見れば評価できる。これはやりすぎだろうとかうまくいきすぎだろうとか思ってあまりに安直に物語が進むところもあるのだが、犯罪計画の緊迫感とそれの実行過程におけるアクションが派手で楽しめる。
爆発場面をスローモーションのままでパーンしていくような撮影技術も素晴らしく、公開当時もどうやって撮影したのかとこれが話題になったように記憶している。これは一台のカメラではなくたくさんの高速カメラを周囲に配置して、それを編集して一つの画像として作り出した映像らしい。
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