「羊頭狗肉」テッセラクト t2law0131さんの映画レビュー(感想・評価)
羊頭狗肉
ある事象のポイントを、それぞれの人物がメインになりながら、相互に微妙にすれ違いながら描いていくことが、三次元空間の重層的な結合で、それを展開した四次元空間(テッセラクト)って呼んだらしい。構造としては「エレファント」だし、残念ながら、ただの一点に収束するわけじゃないから、緊張感は分散してしまうので弱いかも。段落ごとに起きる事象をそれぞれ立体的に見せていくけど、だんだん手詰まりになって、淡白になってしまう。映画冒頭はけっこう人間関係を無意識のすれ違いとして描きこんでたけど、シナリオ的に後半はストーリーを進行させなければならないから、みんなが一緒に存在していってしまう。まあ、しょうがないかも。多分、こういう風な手口で見せようっていう当初の思いつきは、「羅生門」の再発見みたいなテンションの高まりがあったんだろうって想像できるけど、やっぱり練りが足りなかったみたいね。
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