「潜入捜査官の鬼気迫る胸の内を、ディカプリオが熱演。」ディパーテッド 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
潜入捜査官の鬼気迫る胸の内を、ディカプリオが熱演。
香港映画「インファナル・アフェア」のリメイクで、
ボストンに住むのアイルランド人系の地域に場所を移して、
マーティン・スコセッシ監督がメガホンを取りました。
ギャングの手下から警察官になった男をマット・デイモン。
警官からギャングとしてスパイ活動を命じられた男がレオナルド・
ディカプリオ。
ギャングの親分のコステロをジャック・ニコルソンが演じました。
ラスト近くにマット・デイモンがディカプリオの警察官としての存在を
コンピューターで削除するシーン。
まざまざと、存在を消される恐怖が迫ってくる。
ディカプリオが潜入捜査官だと知っているのは上司が2名のみ。
(そのうちの一人は殺されてしまったですから)
(多分ディカプリオは、自分が消される運命だ分かるシーンだ)
“インファナル・アフェア“この題名の意味は【無限地獄】で、
この映画のタイトル「ディパーテッド」の意味は、
「死んでいった奴ら」とか「逝ってしまった野郎たち」だとか。
字幕では「死者」と簡単に訳されている。
どちら含蓄のある深い題名。
ディカプリオの怯えた表情と極度ストレスによる不眠やイライラ。
マット・デイモンは警察権力を自身の後ろ盾と信じていて、
迷いがないから、冷酷極まりない。
2人が実に若々しいです。
18年前の映画だからディカプリオは30歳そこそこ。
マットは36歳位です。
ディカプリオはまだ美青年の面影があるし、
マット・デイモンも青二才・・・の雰囲気。
名優マットもまだ若い。この映画では、深みも凄みもまだまだ薄い。
マットの捜査の妨害は、甚だしく
逮捕のタイミングで、「待機しろ!!」
コステロの尾行を、「尾行は中止だ‼️」とか、
マットが一番に疑われそうだが、警官は“全てが怪しい“
“誰も信じらない“
その疑心愛機に陥って、
ラスト展開は、“殺しのドミノ倒し”“やられたら、やり返す“
殺しの連鎖で、さすがにおったまげた!!
ラスシーンの混乱は目を覆うばかり。
インパクト的には強烈なラストです。
これでは誰も居なくなるではないか?
2006年公開映画で、アカデミー賞作品賞を受賞した。
作品賞にふさわしいと感じました。
監督もですが、説明の少ない脚本と展開の早い編集。
特に編集のチカラはとても大きいと感じました。
そしてもちろん出演者・撮影・音楽ほか全てのスタッフの
チームワークですが。
潜入捜査官を描いた映画として「レザボアドッグス」に
近いのではないでしょうか?
「潜入捜査官」の危険度がMAXな所。
「ディパーテッド」はギャングと警察の両面を描いているのに対して、
「レザボアドッグス」はギャングの視点を貫いている。
作品に似た匂いを感じました。
2度めの鑑賞で10数年ぶり。
見始めたら緊迫感の虜になり深夜まで一気見。
なかなか自宅では珍しいほどの集中が出来る凄い作品でした。
自分にとってディカプリオはずっと『ギルバート・グレイブ』のまんまだったけど『レヴェナント』で這いつくばって、のたうちまわって、ボロボロになって、オスカー取った時にやっと大人に見えた。アカデミー賞は病人、変人ばっかりだから。