ジルベルト・ジル ゴッド・イン・ヒズ・ガーデンのレビュー・感想・評価
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音楽は素晴らしかったが、
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ブラジル屈指のミュージシャンにして文化のレジェンド、ジルベルト・ジルがコロナ禍の2020年6月、世界の人々を元気づけようとしてリオの自宅の庭で、彼と家族のバンドによるコンサートを開いた。フランスのTV局の企画だったようで、彼が判りやすいフランス語で曲を紹介し、コンサート形式で次々と演奏される。彼を中心にしたボーカル、ギターと打楽器、一部鍵盤楽器による演奏は、ただただ素晴らしかった。
チラシを読んだとき、演奏曲のリストが出ていたので心配していたのだが、彼の有名なレパートリーを中心にしたコンサートということもあったのか、ポルトガル語、英語(ボブ・マーリーの曲)、フランス語とイタリア語の歌が出てきたが、どれにも日本語によるテロップはなかった。場内でスマホを開くこともできない。著作権の制限はなかっただろうと思う。そこで、ポルトガル語を知らない私には、環境音楽に留まり、歌の内容は判らなかった。
映画「ロスト・イン・トランスレーション」の例もあるが、この映画では、言葉の上の障壁が音楽の理解を限定的にしてしまったとの感想を覚えた。この映画の上映に関わった配給会社や上映館のスタッフ、批評家の皆さんも、誰もそのことに気付かなかったのだろうか。確かに、ポップスでは、昔から翻訳なんて聞いたことがなかった。しかし、クラシックやオペラ、あるいは能・狂言や歌舞伎では、翻訳や説明は日常のことだ。今からでも遅くない、上映館では日本語への翻訳付きの歌詞のコピーを配ったらどうだろう。AIがあるので、多様な言語の翻訳には何の問題もないはずだ。ブラジルと日本の文化交流の促進のためにも。
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