「AHEGAO」SCREAM BOAT スクリームボート ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
AHEGAO
プーニバースの奴とは関係のない「蒸気船ウィリー」のホラー映画化。
なんで全部ホラーにしたがるんだろうとは思いつつも、なぜか足を運んでしまう自分は共犯者だなと戒めながら鑑賞。
3月に公開した「マッドマウス」に比べれば遥かにマシな出来でしたが、まぁあんまり出来のいい作品では無いかなと思いました。
こんなもんにストーリーを求めるのは酷な話なんですが、場面転換が多過ぎてグタグタしますし、エサ枠のキャラクターがバカすぎてむずむずしてしまいます。
今作の偉いところは「蒸気船ウィリー」よろしく舞台が船の上で、物語も全部船の上で進行していくので、その点で言えば謎にゲーセンを舞台にしていたクソな「マッドマウス」よりも原作へのリスペクトが感じられました。
あとちゃんとミッキーが殺人鬼になっているというのも良かったです。
憧れという理由だけの偽物がやっていた「マッドマウス」なんかより素晴らしかったです。
基本的に初っ端からファイナルガールが出てきて、その後に確実に死ぬであろうバカがゾロゾロやってきて、そこから船でトラブルが起こるというベタな展開ですが、バカがバカすぎていつ死んでも構わないくらいなので清々しいです。
殺しのシチュエーションはミッキーっぽくなく相変わらず武器をガンガン使っていくスタイルのみかと思いきや、思いっきり齧り付いて耳を捨てたりもするので、まだミッキーという生き物の特性は活きていたとおもいます。
割と奇襲スタイルが多かった前半から、フォークリフトで2人まとめて突き刺すというのは良かったなと思いました(その前のアレ顔のインパクトが強すぎてぶつかりまくってたのが面白かったです)。
結構な人数いるし、連続で瞬殺していくのかなと思ったら水を浴びせまくって感電しさせるのはかなりの肩透かしでした。
序盤に出てきた女性をなぜか洗脳させてファイナルガール一行をぶつけるというのは唐突すぎて浮いていましたし、なぜか「テリファー」リスペクトが発動したのか爆発しようが全然生きているというのは今作においてはかなり違和感がありました。
ファイナルガールがミニーに変装してミッキーを誘惑しているところなんかもう考えるのをやめましたし、何故か欲情するミッキーがもう激ショボアート・ザ・クラウンにしか観えなかったです。
最後もまぁ〜ダラダラしていてやっぱり見応えは薄かったですし、エンドロールの中に挟まったりする実は…なパターンも「マッドマウス」と場所が違うだけで似たようなもんですし、ラストの無線の連絡とか意味不明すぎて続編作りたいのかな?としか思わなかったです。
地味に区長の子供がなぜこの船に乗っていたのかという疑問点も全然明かされなくて都合のいいコマだなーという印象が拭えなかったです。
デイビット・ハワード・ソーントン演じるミッキーってどうなるんだろうと思いましたが、元の人間サイズを無理くり小さくして小柄なミッキーを再現するという力技は笑ってしまいました。
タメだったりキル方法だったりはどこぞのアート・ザ・クラウンを彷彿とさせる感じですが、まぁ完全に奴の劣化版なので、流石に観てて気持ち悪くなったアート・ザ・クラウンのキルに比べれば不快度はマシですが、ミッキーだからこそ、ミッキーがやるからこその意外性はやっぱ無かったなと思いました。
「蒸気船ウィリー」をホラーにするならめっちゃいい元ネタがあるのに「マッドマウス」と今作どっちもやらなかったのが動物楽器で、あれなんかどう考えてもグロくて面白いアイデアなのに、しかも今作はギターを弾いてる人もいたのに全然出てこなくて悔しかったです。
人間の血管引き抜いてギターの弦にするとかあったじゃん…とは思ったんですがそこの希望は通らなかったです。
まぁ散々文句は言いましたが、スプラッター風味に味付けされた「蒸気船ウィリー」のイラストやアニメーションはめちゃくちゃ良かったので、Tシャツやスウェットの商品化お待ちしてます。
さて次のホラーはどいつかな?
鑑賞日 11/16
鑑賞時間 10:55〜12:50
