「よくゴーサイン出たな」藤本タツキ 17-26 Part-2 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
よくゴーサイン出たな
以下現時点ではアニメ化されてないチェンソーマン原作マンガのネタバレ含む。
スケジュールの都合で2から観る。
まずこの企画が通ることに驚き。チェンソーマンの映画が好調でルックバックがそれなりにヒットしたからこそだろうが。
まず。藤本タツキの短編が行けるなら「他のあの漫画家の短編もアニメ化してー!鳥山明のまだアニメ化されてないやつとか」と思ってしまった。たぶん、この調子だとそういう感じのジャンプ漫画家短編アニメ化企画はどんどん実現していきそうな気はする。
総じて。結構ちゃんとアニメ化されていて劇場にかけるだけある出来にしたことがすごい。
個人的には『ルックバック』以上の満足感があった。
そもそももうすぐアマプラで配信するよと予告されているのに公開2日目の新宿の映画館はかなり満席に近く前の方の席しか取れなかった事実がやばい。
- 人魚ラプソディ
初見。人魚が人を食う、人も人魚を食うという話が出たのでラストはどっちかがどっちかを食べる展開かな?父親の「夕飯までには帰ってこい」は実際に帰ったら仲良くなった人魚が調理され夕食として出てきましたエンドかな?と思いきやそんなことはなかった。
普通に爽やかに海の底でピアノを弾いて可愛い人魚に囲まれるエンドだった。タツキにしては平和すぎるだろ!
海の底にピアノがあり人間と人魚のハーフである主人公はそのピアノを弾けてピアノの音に人魚が寄ってくる、というシチュ作りはうまいと思った。
あとピアノの曲の気合いの入れようね。
- 目が覚めたら女の子になっていた病
初見。これは藤本タツキのポップな雰囲気を全面に押し出していた。中途半端な感じで終わった気もするがそれも味。初期モー娘。の曲を頻繁に流しており平成のアイテムをそこら中に散りばめて平成感を強調していた。平成の印象って他の曲もあったと思うのだかまあ色々あるのだろう。
- 予言のナユタ
これが一番良かった。なんなら音楽がかなり凝っていた。
この作品が存在することはうっすら知っていたが原作読んでおらず初見。
これ、本当にチェンソーマン2部のナユタの原型なんだな。なんならパワーも入ってる。デンジがパワーと一緒に風呂に入る場面が原作にあるがそれと似た風呂に一緒に入る場面があった。ナユタのキャラ自体もかなりチェンソーマンの方と近い。
ねこうさぎみたいな融合動物もいい。
予言信じるばあさんもばあさんの演説に割り込んでくる政治家もいい味出していた。
- 妹の姉
ラストまで観てそういやこの原作をだいぶ前に読んだことを思い出した。姉のセルフヌードのポーズは見た覚えがある。
よくこれの映像化にゴーサインが出たなと。油絵とはいえ10代のヌードなわけだし妹が姉のヌードモデルをやる場面もある。
「妹は私をずっと見ていたから私のヌードを(想像で)描けたんだ」という気づきからの「でも姉として妹に教えなければならない。私のヌードはこう描くのだ」というラストのセルフヌード作品までの展開はヌードでないとインパクトが出ないしテーマがぼやけるのでこのご時世によくやったと思う。
R18指定になったのも今作(と女の子になったのセックス連呼からの服脱がせ未遂もか)があるからだろう。
これはこれで作り手のこだわりを感じたし面白かったが海外かどこかで無駄に叩かれないか心配ではある。
