「事実が薄れていく前に」名無しの子 豊島区のはずれさんの映画レビュー(感想・評価)
事実が薄れていく前に
中国残留孤児の経緯と現状を追ったドキュメンタリー映画です。40数年前に帰国事業が始まった頃には、家族探しの模様が連日ニュースになっていたので、一定の年齢以上の人なら、戦争の影響でそういう状況になってしまった人についての認識はあるでしょうが、今は教科書にもろくに載っていないそうで、渋谷の若者へのインタビューシーンが出てきますが、誰も知らないという状況です。帰国後も、言葉や生活習慣の違いで、日本社会になじめずに苦労したり、中には罪を犯す人もいることまでは、我々も知ってはいますが、その人達が高齢化し、日本語がままならない状態での介護という課題があることは、この映画で初めて知りました。もう「孤児」たちは80歳以上です。
日本にとって都合の悪いことは、だんだん言わなくなったり、場合によっては否定する人がいる中、国策として中国東北部に移住させられ、日本の敗戦の際に現地で見捨てられた人達と、その家族が受けた影響を、当事者から直接話が聞けるうちに、もっと知っておく必要があると思います。
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