「混沌する西アフリカで銃を手にした少年」アラーの神にもいわれはない regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
混沌する西アフリカで銃を手にした少年
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1990年代の内戦激しい西アフリカで少年兵となった孤児ビライマを描く。
母の死をきっかけに、隣国リベリアに住む叔母を頼ることにしたビライマ。だが行く先々で武装勢力と遭遇し、生き抜くために自らも銃を取らざるを得なくなる様子や、利権や民族・宗教が絡んだ西アフリカの混沌ぶりが凄まじい。当然ながら生死に関わる凄惨な描写が出てくるが、絵柄は色彩鮮やかなポップ調で描かれているため、そこまで見苦しくはない。
銃を発砲するビライマだが、彼の弾丸で人が死ぬ描写を見せなかったのは、戦争とはいえ彼を殺人者にしたくないという監督の良心みたいなのを感じた。また、ビライマの保護者的存在で、うさん臭さ満載ながらも言葉巧みに敵から彼を守り自らも守っていく呪術師のヤクバがいいスパイスとなっている。実際の戦争でもこういった人物が生き残るんだろうなあ。
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