波のレビュー・感想・評価
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声に出せなかった者達のミュージカル
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2018年にチリの大学で展開された、セクシャルハラスメントや男女差別を告発するフェミニスト運動を下地にしたミュージカル。
性被害を受けた事を声に出せなかった女性達が、ミュージカルとして声高らかに叫ぶ構成は面白い。終盤では「今スクリーンで起こっている出来事は全て絵空事なのか?私達はセリフを喋らされてるだけなのか?」とメタ構造まで持ち出すという大胆さ。
ほぼ同時期にハリウッドで起こった「#metoo」運動を想起させるが、「これは#metooではなくシスターフッド」と明言するあたりも、マイノリティの意地を醸し出す。一方で、同じくTIFF上映された『私はネヴェンカ』の監督が「裁判に勝っても人生は戻らない」と語っていたように、完全な勝利とはならない顛末もビターすぎる。
ちょっと冗長に感じなくもなかったが、音楽はもちろん、スタイリッシュなエンドクレジットも目を惹いた。
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