「映画は辛い現実を忘れさせてくれるものではなく、辛い現実と対峙するためのもの」蜘蛛女のキス とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 映画は辛い現実を忘れさせてくれるものではなく、辛い現実と対峙するためのもの

2025年10月31日
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テクニカラーの夢(映画=現実逃避)の中、愛のための死

現実逃避こそ現実と対峙するための方法として、何より現実であること。死と生は表裏一体だから、愛がある。人を思いやること。苦しい状況や辛い現実に直面したとき、ずっとそこにいなければいけないわけじゃないから、目を閉じてカラフルな映画の中へ飛び込む…。映画の中にヒントや答えがあるかも。
ビル・コンドン監督が、同名タイトルのリメイクでなくミュージカル版の映画化である本作で、往年のミュージカル映画への愛に溢れたオマージュを全開にしている!ゆえに観ながら(それが現実でなく)映画というフィルターが強烈にかかっているのを感じた。映画は現実を映し出す鏡。
自己犠牲でなく、愛のための死。本作で初めて存在を認識した、葛藤しながら革命の一翼を担っていく物語上の主人公であるトナティウに、製作総指揮も兼ねるディエゴ・ルナ ✕ ジェニファー・ロペスの魅力的な主演3人のおかげで、時折ペースを掴みにくい不均衡な作品の進みにもかかわらず魅惑的な作品になっている。
『キャシアン・アンドー』アンドーさんを終えた、我らがディエゴ・ルナの次なる一手はミュージカルで、歌声も披露する!他2人より量は少ないかもしれないけど、ダンスシーンもモノにしている。アンドーさんとの共通点は、今はいない妹がいることと、何より革命に命を捧げているってことだ!
ラテンの血が騒ぎ出す?同名タイトルの劇中劇で最も歌い踊るJ.Loジェニファー・ロペス!また、(本作製作時にはジェニファー・ロペスと結婚当時だったのだろう)ベン・アフレック&マット・デイモンの名コンビも製作総指揮を務める。闘争万歳!革命万歳!なんであれ万歳!!ラストカットが良かった。

勝手に関連作品『雨に唄えば』『ウエスト・サイド物語』『紳士は金髪がお好き』『シカゴ』

P.S. ディエゴ・ルナは、今年のスター・ウォーズ・セレブレーションで、生ルナ見た。

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とぽとぽ