「シニカルを超えたブラック」雌鶏 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
シニカルを超えたブラック
クリックして本文を読む
ニワトリの視線を通して人間模様や社会の構造・問題をシニカルに活写。
TIFFの公式ガイドでは「奇想天外な作品」と紹介されていたが、言葉を喋らない動物主観の作品だと既に『戦火の馬』や『EO イーオー』があり、内容も人間の滑稽さを描いた『EO イーオー』と似ているので、目新しさ自体はそんなにない。
ただ、『EO イーオー』にもあったシニカル描写はこちらではブラックの域に達しており、中盤ではニワトリが原因で(といっても本人〈本鶏?〉は悪気がないんだけど)笑うに笑えない展開になったりもしている。全身の毛が黒いというだけで排除されてしまったニワトリの復讐…と強引に解釈するとしても、ランニングタイム88分の『EO イーオー』よりわずかに長い96分でも、全体的に冗長に感じてしまった。
でも、CGを使わずに本物のニワトリ8羽を使って撮った努力に敬服するし、時おりニワトリがワーナーアニメのロードランナーとダブって見えたのが面白かった。
コメントする
