「アメリカの中の箱庭イラク」アトロピア regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカの中の箱庭イラク
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9.11テロを発端としたイラク戦争に派遣される米軍兵士の訓練のために国内に再現した中東の架空都市「アトロピア」を舞台にしたコメディ。架空の街で突然の攻撃や爆撃テロ行為に慣れておけば死者も出ないし、罪のない市井の人々にも危害を加えずに済むのでは…という発想がユニークだが、現実のアメリカにもこうした街が数か所あるというから驚き。
この架空都市で俳優として働くイラク系アメリカ人女性や新兵、さらにイラクで実戦経験のある兵士などを交えた人間模様が描かれるが、実は各々にも訳アリ事情があって…というのがポイント。とかく批判の的だったブッシュ政権下によるイラク戦争だが、本作も遠回しながら戦争の問題定義を問いている。映画製作のドタバタを観ている感覚になれるが、ちょっと結論に至るまでの過程がまどろっこしかった気もしないでもない。
カラム・ターナーやクロエ・セヴィニーといった名の知れたキャストも出演する中、おバカな役をやらせたらピカイチのあのスターもしれっと出ていて、期待を裏切らないおバカぶりを発揮していたのが一番の笑いどころだった。
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