劇場公開日 2025年11月8日

「腐敗した政治家による虐殺容認」ネタニヤフ調書 汚職と戦争 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 腐敗した政治家による虐殺容認

2025年11月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ネタニヤフとその妻・サラの、背任=贈収賄による国家私物化の証言と証拠がたっぷり。
これをもみ消すために、最高裁を敵に設定し、差別主義者でガザとヨルダンの併合を掲げる元テロリストが党首である極右政党と連立政権を立てたことがわかる。
偏向せず、証拠を並べただけの道筋がしっかりしたドキュメンタリー。
そりゃ、ネタニヤフがイスラエル国内では上映禁止にするのも当然。

映画では、そもそもガザに侵攻したハマスに、ネタニヤフがカタールを通じて資金援助していたことまで暴露。
別の組織と対立させ、壊滅した地域の利権を取るためにハマスを育成したが、極右政党に同調したハマスが暴走。
民族対立や、歴史的背景、イギリスをはじめとした連合国が行った第二次世界大戦時のアラブ人とユダヤ人への二枚舌=嘘から始まった建国など、他の要因はあるにせよ。
緊急事態を利用し、裁判を停滞させ、保身を図るために、ネタニヤフはハマスを抑えることもなく、虐殺を黙認しているのが現状であると。

長期政権で腐敗したり、マスコミに対する脅迫的な強権発動したりする政治家の言うことはいつも同じ。
「私を蔑める陰謀だ」
「左派の扇動だ」

行動も同じ。
法を軽んじ、勝手な法解釈による恣意的運用をし、司法を阻害し、法治を壊して、自らに有利な人治を始める。
自分を批判する者たちはすべて敵で、非国民でとレッテルを貼り、国民を分断する。
劇場政治に見せるが、実のところ、自分の支持者以外は国民ではないと見捨てる独裁政治に他ならない。
それは、国の破壊そのものである、と。

ロシアや中国の目指すところは、皇帝になり変わることであろうが。
ネタニヤフのイスラエルが目指すのは、自らがヒトラーやムッソリーニや金正日になることだろう、と思いました。
この作品をアメリカとイスラエルが共同で作ったことが、意義あることだと思いました。

これを他山の石とし、日本は法治の徹底を復活してもらいたいとも思いました。
人治に陥ると、法や国に見捨てられた人々が無敵の人となって、街中で無差別殺人を行ったり、要人への腹いせテロを行ったりしますからね。

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コージィ日本犬
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