「れな子、あんたやっぱすげえよ」わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) ネクストシャイン! ねこばばさんの映画レビュー(感想・評価)
れな子、あんたやっぱすげえよ
「映画があまりにもヒットしている」というニュースで作品を知り、急いで配信サービスにあったTVシリーズを全て履修してから映画館に行きました。それも2回。いや〜、本当に素晴らしいですね…。ガールズラブは元々好きなジャンルではあるんですが、この「わたなれ」は単にかわいい女の子たちのイチャチャを描くだけに留まらない「学び」があると感じました。いや、サービスシーンも大好物なんですが、それを踏まえた上でですね。
主人公・甘織れな子は、本当は気遣いができる誠実で優しい子なんです。しかしその優しさは、自分への自信の無さや臆病さの裏返し。なのでクラスメイトである美少女2人からのアプローチをどちらも断りきれず、自分のせいで誰かをどうしても不幸にしてしまう… というのが、TVシリーズから劇場版への橋渡しとなる状況です。優柔不断な態度でグループの人間関係を拗らせるれな子、こういうところは巷の「悪女」扱いも頷けるというものです。
そんな中、あるきっかけでクラスメイトのマスコット的妹キャラ・小柳香穂との縁ができ、彼女のライフワークであるコスプレ活動にれな子が参加することになります。このコスプレ活動を通じたれな子の心境の変化が、劇場版わたなれのメインテーマということでしょう。少なからずプレッシャーのかかる状況に置かれた2人は、互いの弱さを補い合うようにして前に進んでいきます。自己実現やチームワークといった要素も置けるテーマとして「コスプレ」はいいチョイスだなと思いました。 (かわいい女の子をたくさん描きたかったという意図も大きいとは思いますが)
この映画を見終わって思うんです。れな子は悪い悪い言われていますが、果たして自分はそんなこと言う資格はあるのかと。自信のなさを言い訳にして、勇気はいるけど幸せになれる選択肢を勝手に諦めていないかと。暗い過去に囚われすぎて、周りの人をイラつかせていないかと。
「わたしはわたしを、好きになりたいから!」… この映画のキャッチコピーですが、映画を見る前後で印象が全然違ってきます。創作の文脈で誰かと恋仲になることを「攻略」と言ったりしますが、最難関かつ最重要な攻略対象はいつだって自分自身なんです。この誰もが抱える悩みについて、れな子はひとつの解答を出しました。こんなに心満たされる劇場体験、そうそうありません。
成長あり、学びあり、ちょっと過激なサービスシーンあり、まさしく令和のガールズラブコメ金字塔と言えるでしょう。わたなれに出会えてよかった!れな子、大好きだ!
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