「藤本タツキの初期衝動に溢れる短編集、その1」藤本タツキ 17-26 Part-1 フレンチクローラーさんの映画レビュー(感想・評価)
藤本タツキの初期衝動に溢れる短編集、その1
各スタジオの競作としても大変見所がありました
■ 「庭には二羽 ニワトリがいた」 ★4
作者若干17歳の作品。読者の興味、共感を引いてからミスリード要素で予想を裏切る構成力の高さが光る。読者が「か弱いもの」を守るキャラクターに肩入れする事をよく理解している作劇。原作の粗削りな部分をアニメーションで補間しつつ、アクションを追加して勢いをエスカレーションさせている点が素晴らしい。「食人」「価値観の異なる異人種との交流」、そして「妹キャラ」と、作者の原液になる要素が味わえる
■「佐々木くんが銃弾止めた」★4
藤本タツキの話作りが上手すぎるシリーズ、その2。教室に侵入するテロリストを少年が止める、という定番の妄想をここまで昇華出来る才能に嫉妬してしまう。「放たれた銃弾を止める」という不可能性は、それ自体がギャグであると同時に無限の可能性を語るための舞台装置でもある。原作の時点で完成度が高いためアニメ化によるプラス効果は及第点に留まるものの高評価(原作は作者がXに投稿したものを読めるので是非)
■「恋は盲目」★3.5
真面目な生徒会長による一世一代の告白。邪魔者が次々現れるのだが生徒会長の眼中には入らない。告白のワンイシューで話を引っ張りつつ、キャラクターの濃さ、シンプルなエスカレーションの面白さで見せる。小気味よいギャグ演出が嬉しい。声優さんによる熱演も作品を牽引
■「シカク」★3
ロリ殺し屋と死を超越したイケメン吸血鬼のラブストーリー。人の道から外れた者同士のカップリングである点、シカクの狂気表現に作者らしさを感じられる(目玉集めはチェンソーマンのマキマさんだよね。容姿も似ているような)。キャラクターの魅力を中心とした漫画でストーリー性は弱い。真っ先に頭に浮かんだのは「ジャンプラの漫画だこれ!」でした
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