「こんなに混むとは思わんだろ」藤本タツキ 17-26 Part-1 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
こんなに混むとは思わんだろ
公開3日目の新宿の映画館、昼の回でほぼ満席、リーフレットの配布は終了でもらえず。藤本タツキの勢いを実感した。
スケジュール都合で2から先に観て1の鑑賞になったが同じくらい良かった。
パート1、2合わせて一番良かったのは個人的にはパート2の予言のナユタ。
パート1で一番良かったのは庭には二羽ニワトリがいた。デビュー作らしいがその後の藤本タツキらしさが全て含まれていたように思う。
- 庭には二羽ニワトリがいた。
たぶんタイトルから連想したのだと思うがこのタイトルからこの展開を思いつき表現するのがすごい。
高校生の男子が目覚めた→と思いきや宇宙人→宇宙人学校の日常→と思いきや人間がニワトリのふりしてかろうじて生きている世界→と思いきや片方の人間も宇宙人の変装というようになるべく観る者の予想を裏切って行こうという姿勢は良かった。
おそらくアクションの動きをもっと描きこみたかっただろう箇所もあったが短編でよく動かしてくれたと思う。
- 佐々木君が銃弾止めた
これも結構馬鹿みたいな展開ではあるのだがこういう話を思いついたとしても実際に漫画にすることが難しくさらにはこういう話をアニメ化することもまだまだ簡単ではない。
ゆえにこの話で示される「実際に見てみなければ、やってみなければ分からないから可能性は0じゃない」という主張はこのアニメ作品が完成したことでより説得力を持った。
佐々木君が銃弾を止めた場面でタイトルが出る構成はオシャレ。というかあのタイミングが一番だったのは間違いない。
最後の月面に日本国旗を持って立つ顔の見えない宇宙飛行士が本当に佐々木君なのか、そして銃弾を止めたのは先生が本当に神様の力を持っていたからなのかも分からない。
それでもいい。個人的に『ファイアパンチ』を読んで藤本タツキ作品がここまで人気出ることも予想できなかったから。やってみるまでは何ごとも分からない。まあ銃弾には触れないほうがいいだろうけど。
- 恋は盲目
勢いで考えた感がすごい作品。この勢いは大切にしていきたい。生徒会長の男が卒業前日に生徒会の後輩女に告白する話。先生からの頼み事があってもホームレスの邪魔が入っても宇宙人から地球壊す計画を告げられても「それより大事なことがある!」という姿勢を貫いて告白まで行く。
こういう話も思いついてもなかなか漫画として面白く展開することもポップなアニメとして完成させることも難しいから、よくやってくれたと思う。
- シカク
これは常識に欠ける殺し屋女と殺されたいほど退屈な吸血鬼男の話。なんだが、わざわざ主人公の名前をタイトルにしているのは連載も踏まえていたのだろうか。
パート1、2を合わせて一番キャラクタービジネス的な展開を考えていそうな話だったが一番普通になってしまった感もあり、作家の個性を活かすのって難しいのだと感じた。
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