劇場公開日 2025年12月19日

星と月は天の穴のレビュー・感想・評価

全73件中、21~40件目を表示

2.0日活ロマンポルノ・オマージュ?

2025年12月26日
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鑑賞方法:映画館

吉行淳之介が1966年に発表した同タイトルの小説の映画化作品。結婚に失敗した40代の作家が固定的な関係を築くことには臆病なくせに若い女との関係が深まっていく様を描く。

舞台の始まりは1969年の春の東京。ちょうど私が小学校に入学した頃と重なるので、壁に貼ってある看板やポスト、建物などの風景や店で流れるBGMを含めた空気感は懐かしくもある。それ故に、現代の若者には違和感があるかも知れない登場人物の話し方やタバコの吸い方(例えば、医者が診察中に喫煙する)なども、あの時代だと思うと自分にはまったく気にならない。

ただ、全般的にノスタルジーを押し出すのはいいのだが、全編白黒画面なのに、差し色として「赤」だけがカラーにすることで官能的な演出を狙ったりするなど、いかんせん感性が古めかしいとしか思えない。

原作小説は読んでいないのでどのくらい忠実に映像化しているのかは分からないのだが、性と愛を人間の本質として文学作品が描くことはよくある。だが、本作を鑑賞しながら感じていたのは昭和の時代へのノスタルジーというより、あの当時に隆盛を極めていた日活ロマンポルノへのノスタルジーなのではないか、ということだ。

日活ロマンポルノといえば、10分に一度程度「裸」あるいは「濡れ場」のシーンを入れさえすれば、純文学だろうがコメディだろうがSFだろうが題材やテーマは何でもありで、低予算で実験的な作品群を次々と作りながら若手監督たちが場数を踏むことができ、後の大物監督を何人も輩出してきたと言われている。

荒井晴彦監督自身、若い頃は若松組の助監督で、日活でいくつもの作品制作に関わってきた。宮下順子が本作でフィーチャーされているのも当時への想いからであろう。

1969年の最大のイベントといえばアポロ11号の月着陸。そして、翌年の1970年には「人類の進歩と調和」を謳う大阪万博が開催され、時代の潮流が大きく変わる。そんなアポロ以前へのノスタルジーで終わらせてしまうのは何かもったいないような気がするのは私だけだろうか?

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Tofu

5.0表裏一体のポジとネガ

2025年12月26日
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鑑賞方法:映画館

主人公の小説家は人間(男女)関係の深入りを避けて暮らしており、
精神より肉体に重きを置く考え方でラブシーンも多くあるが、
全編モノクロ映像の中で、ブランコ、入れ歯、傷、料理など
ときに肉体ではない物体の方が象徴的に生々しく艶めかしく見えるのが不思議。

人間関係も含めた2者の主従関係、現実と非現実、過去と未来も、
自分の認識からいつの間にかズレて、
知らない間に逆転していたり、常に移ろっていくもの。

星と月を光ではなく闇の穴として暗示したように、
世の中のポジとネガは表裏一体にたゆたっている。

等々いろいろ勝手な妄想を楽しめた映画でした。

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HK

3.5美しい言葉のやり取りに、男女の心の機微を感じとる。

2025年12月25日
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抑揚を抑えた美しい昭和の言葉のやり取りが、男性性と女性性のクッキリとした違いを浮かび上がらせ、そこにある心の機微さえも観察することができる。

それにしても今作の綾野剛さんは、豊川悦司さんと見紛うほど良く似ていた。
だからなんだという話なのだが。

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はりねずみ。

3.0富裕層の贅沢な憂鬱

2025年12月25日
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興奮

知的

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いぱねま

3.5文学的行き止まりを打ち破る咲耶の突破力。

2025年12月25日
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1969年を舞台とした作品である。この年にあったことで映画内で映像が取り上げられているのはアポロ11号の月面着陸だが、全学連による東大安田講堂事件があった年である。実に時代は政治の季節だった。政治と文化は一体化しており、その中で政治とは一線を画して恋愛と性愛をベースとした文学を志向した吉行淳之介の初期作品群(この「星と月は天の穴」は1966年の作品)は軟派な文学とされてマイナーな位置づけであった。
吉行の文学が、さらに性愛を濃く激しく描く一方で、時代がそれを容認して、より幅広い読者に支持されるようになるのは、政治的動態が一段落した80年代近くになってから。作品でいうと「夕暮れまで」である。
さて、映画は、綾野剛演じる作家の矢添が、自分をモデルにした小説を書きながら、複数の女性の間を揺れ動く物語である。全編モノクロームであり矢添が性欲を感じる対象(スモークサーモン、女性の唇、女性の身体の傷跡など)だけが赤のパートカラーで表現される。舞台も矢添の部屋や、銀座や国立の店店ばかりであり(「ロジーナ茶房」とかね)人工的で閉鎖的な印象を与える。つまり吉行=矢添の世界は、その世界の中にいる女性への興味、欲望に内向しており、外の世界には開かれていない。
これが文学的内宇宙であることは、原稿用紙の文章が映画内クレジットとしてそのまま現れることや、基本、出演者が皆、セリフを棒読みすることでも表現されている。そして内宇宙では、星も月も書き割り的な穴ぼこに過ぎず固有の光も熱ももたないことからこのタイトルになっているのだろう。
唯一、矢添が、外界と接する可能性があるのは、矢添の部屋の下にあるブランコのある公園だけである。
だから矢添は、最終盤まで公園に足を踏み入れない。
実にグジグジした作品であり、正直、途中で席を立とうかと思ったほどである。それを救ったというか、映画的に決着をつけたのは、主演女優咲耶のラストカットとエンドロールのブランコを漕ぐ姿である。このシーンは、彼女が矢添を赦し、違う世界に導いたことを暗示している。おそらく、その世界では、矢添はミソジニーな女たらしではなく、一人の男として、おそらくは同じ性癖をもつ女と対等な関係をもっているのだと思う。というか、そうあって欲しい、そうあるべきだと思うのだが。

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あんちゃん

3.5好色一代男

2025年12月25日
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興奮

斬新

カワイイ

文学的な雰囲気は良し。
ただのモノクロではなく、スポット的にカラーを当てる表現も面白い。
田中麗奈はセミが限界かw

どうしても昭和には見えないのが玉にキズ。

パンフレットは値段の割に安っぽい作り。

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YOU

3.5少し勿体ない

2025年12月24日
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私小説がベースにあるとのことだが、せっかくの映像作品であるにも関わらず、画面中に原作の活字をオーバーラップさせる演出は少し過剰に感じた。その辺りを文字なしでも伝えられるだけの俳優が揃っているのだし、大衆向け娯楽映画でもないのだから…

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アヤックス

3.0サーモン、唇、入れ歯、傷痕

2025年12月24日
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興奮

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uz

3.0主演女優の華奢がどうしても気になる。

2025年12月24日
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小津にしては主演女優のガタイ不足。
華奢がどうしても気になる。
田中麗奈の図々しくも哀しい達観は買う。
昭和の空気は室内なら家具家電で醸し出せたが、
外に出ると令和扁平な街並み感は否めず画が潤わぬ。
日活ロマポの秀作群を見直す方が格段に浸れる。
難しいのだと思う。

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きねまっきい

3.0咲耶と岬を入れ替えた方が良い

2025年12月24日
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鑑賞方法:映画館

モノクロの綾野剛は絵になる。しかしヘヴィスモーカーのうえ、43歳で総入れ歯とは…同じ原作者だから「暗室」の庶民版てな感じ。下田逸郎の音楽が良い。

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吉田透

3.0もう一工夫欲しかったけど、綾野剛は良かった

2025年12月24日
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鑑賞方法:映画館

綾野剛主演ということで注目していた作品でしたが、内容は吉行淳之介の小説を原作とし、1969年当時の40代独身男性作家の性生活を描いた、いわゆる私小説的な物語でした。

綾野剛演じる主人公・矢添は、高級娼館に通ったり、画廊で偶然出会った女子大生・紀子(咲耶)と行きずりで関係を持つなど、冒頭から終盤に至るまでセックスシーンが頻出。事後に確認するとR18+指定であり、それも納得という内容でした。ただ全編が基本的にモノクロ映像で構成されているため、(良いか悪いかは別として)過度な艶めかしさを感じることはありませんでした。

もっとも、本作は単なるポルノ作品というわけではありません。40代にして総入れ歯という矢添の身体的コンプレックスや、かつて一年間だけ婚姻関係にあった元妻が別の男を作って去ってしまったことへの喪失感を抱えながら生きる姿には、中年以降の男性であればどこか共感を覚える部分があるのではないかと思われました。若い女性に都合よくモテる点については、羨ましい反面、全く共感できませんでしたが。

とはいえ、作品全体として見ると、今ひとつ心に響かなかったというのが正直な感想でした。本作を2025年に映画化する意義がどれほどあったのか、というのがその最大の理由。1969年が舞台であっても、現代に通じるテーマ性があるとか、逆に1969年当時の独自のテーマ性があったのならまだしも、その辺があまり感じられませんでした。
また、1969年という時代設定の表現にもいささか安直さを感じました。矢添の乗るBMWやタクシーが旧車であること、ダイヤル式の黒電話や円筒形の郵便ポストといった小道具はそれらしく登場しましたが、矢添が住むマンションの仕様は明らかに現代的だったし、街並み全体も今様でした。そうした粗をモノクロ映像で覆い隠しているように感じられたのも残念なところでした。であれば、いっそ設定自体を現代に置き換えてもよかったのではないか、などと考えましたが、それは後の祭りでしょう。

それでもなお、綾野剛という俳優の魅力は十分に感じ取れる作品であり、その点においては満足のいく一本でした。

そんな訳で、本作の評価は★3.0とします。

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鶏

4.0凄まじくリアリティを欠いた、感情のリアリティ

2025年12月24日
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難しい

斬新

推しの綾野剛の裸体がとても見たかったので鑑賞。
制限指定からどんな映画になるか大方予想は付いていたが、思っていた以上に得られたものも多かった。

純文学映画と批評されている人が多いが、間違ってはいない。それどころか小説をそのまま映像にしたような印象が極めて強く感じられた。
特にセリフの発し方などはこの辺が顕著に出てる。主人公視点で物語が進むにも関わらず、引きのカットばかりで、没入する映画ではなく眺める映画という印象。
ピンク映画とは違い欲情をを煽るような演出は控えめ。
また、音楽に関してもレベルが高く、普通のピンク映画とは一線を画したものがある。

最も注視したい所は女性の絶妙な感情の距離のリアリティ。ここがとても印象に残った。
総評として、下品なものを見に来たおっさんが綺麗になって劇場から出てこれる、そんな魅力を秘めた映画。

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ぱいら

4.0主人公の矢添も主演の綾野剛さんもそりゃモテる

2025年12月24日
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今年3本目の綾野剛さんでした。「でっちあげ」とも「愚か者の身分」とも違う3人目の人物をしっかり出現させていて本当に達者な人。40過ぎ男のコンプレックスと若い子への気後れと強がりは痛いほどよくわかるよー😭 矢添も綾野さんもそりゃモテるわ。

女優ではいつも感心する田中麗奈さんがまたまた良かった。咲耶さんは声と口調が絶妙にマッチしていて、特に声が好き(ただし、あれの時の声は監督の意図なんだろうけど、大き過ぎて…)。

吉行淳之介による同名原作小説(未読)のタイトルの響きが、わからないけどなんか良くて観たかった。そのタイトルの由来がわかるシーンの重みがない感じも好き。

R18でエッチなシーンがいっぱいだけど、男と女が対等かむしろ女が矢添(綾野さん)を翻弄する感じなので嫌悪感は感じない。R18を警戒して観ないとしたらちょっともったいないかな(個人の感想です)。1969年という時代背景にマッチした劇中歌もとても良くて、若さを通り過ぎた昭和人たちにオススメの1本。

若い女性がこの映画を観てどう思うのか気になるけど、そんなこと、聞ける知り合いもいなければ、いたとしても気後れして聞けやしませんよ。そういう意味でも矢添の女性慣れした感じと、なのに滲み出る少し自信のない感じの絶妙なバランス…これが大人の男の色気というものか!(習得したい人生だった!)と思ったです。

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たずー

4.0モノクロだからこそ艶やかな質感

2025年12月23日
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想像してたよりも官能的だった。45歳離婚歴ありの自分にはだいぶ沁みました。綾野剛出演作はハズレない。

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masa

5.0可笑しくて哀しい、愛すべき映画

2025年12月23日
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綾野剛さんの少し枯れた自惚れ屋さんがめんどくさくて、R18なのにクスってしてしまいます。でも何故か愛らしいんですよね。

そして、田中麗奈さんの千枝子が素晴らしい。
孤高で哀しくて美しい… ラストシーンは秀逸でした

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miki

5.0そういれば

2025年12月23日
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なつ あらすじとツッコミ

3.5病院で喫煙

2025年12月23日
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下手したら長尺AV化しかねない内容だが、荒木経惟の写真が動画化されたみたいな画面(エンドロールのブランコ!)と、小説家が言いそうだと如何にも常人が思いそうなベタ台詞のお陰で、恋愛や性にまつわる人間(特に男)のどうしようもなさが溢れ落ちてきて、何度も苦笑してしまった。紀子の台詞回しを聞いて、ゆりあんレトリーバーのネタ「昭和の映画女優の真似」を思い出したのだが、そういうのを含めた細かいレトロっぽさもいい。
相手の態度が依存的になった途端にイヤになる、みたいな心理的距離感の難しさが色々刺さる。

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ひろちゃんのカレシ

3.0重ねた先にある皺と疵は、官能を高める道具となり得るだろうか

2025年12月23日
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知的

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Dr.Hawk

5.0昭和文学の薫り

2025年12月22日
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笑える

知的

荒井晴彦監督の作家性が色濃く出た一作だ。 女優二人の出番は多いものの、男性の主体性の強さが一目瞭然である。「男」の成分が過剰ではあるが、荒井監督による同性(男性)への眼差しは辛辣であり、その描写には筆を惜しまない。主演の綾野剛さんも、この複雑な人物を見事に体現していた。

咲耶さんの演技には圧倒された。特にラストの濡れ場は圧巻の一言に尽きる。 また、音楽も大きな見どころだ。個人的には宮下順子がピアノを弾くシーンがとても気に入っている。娼館の玄関でママさんが敬虔なヘンデルを奏でるという対比が、実に絶妙だった。

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endli666

4.0消えゆく昭和文芸エロスにあえて4

2025年12月21日
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鑑賞方法:映画館

 本当なら3.5かな。原作未読。まずモテる奴に対する業火のような嫉妬心にどうせ少数の絵空事だよと適応規制している自分といやいやちゃんと冷静に見てるぞという自分が混ざりあい、劇中の矢添とAの自我の混乱に重なる笑。そんなええもんか。
 スジそのものの展開には不満はない。病院でもタバコを吸うなどの描写や映像も時代をきちんと踏まえていて好ましい。必要以上に挿入されるエロシーンは監督の思いだろう。付き合う咲耶と綾野剛も偉いが、エロシーン弱めバージョンにしてR18を外した方が良かったかも。
 女優陣は田中麗奈が下着姿になっていたのが良かった。咲耶については肩の力が抜けた自然なセリフ回しは好印象だが、なぜか近頃の女性がタイムスリップしていたように感じる時もあり…。(あと個人的には苗字は付けておいた方が今後のために良いと思う。)

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またぞう
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