「落ちて、たたきつけられても人生は続く」落下の王国 4Kデジタルリマスター ゆうばりさんの映画レビュー(感想・評価)
落ちて、たたきつけられても人生は続く
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大けがを負ったスタントマン、ロイが入院先の病院で同じく入院中の少女、アレクサンドリアに出会う。失意のロイは『おはなし』でアレクサンドリアを釣って自殺用のモルヒネを手に入れようとする。
面白い、良かったと思ったところ
・ロイがアレクサンドリアに話す物語はつじつまの合わない思いつき、ときに現実を反映させた即興的なものである。物語の映像は細部まで鋭い審美眼感じるものだからこそ、流動的な部分と綿密な部分の融合が面白かった。
・衣装デザイン、世界遺産の建造物といった視覚的な魅力。
惜しいというか微妙なところ
・ロイの語るおはなし自体はそれほど魅力的ではないと思う。
そのためキャッチコピー、『きみにささげる世界にたったひとつの作り話』の少女に話す物語がどんなものかとその内容に期待すると肩透かしかもしれない。
ラストについて
サイレント映画のオマージュのなかにアレクサンドリアはロイの姿を見る。しかしロイがスタントマンに復帰できた可能性は低い。そしてアレクサンドリアも医師からやめるように言われた果樹園での作業を続けている。おそらく教育もしっかりとは受けられない。
ふたりが出会い、そして失意の男性が命を絶つことをやめる、その先に劇的な物語はない。奇跡的な何かは起きない。色褪せた現実の世界でふたりはそれぞれ生きる。だからこそ、でたらめな物語は美しく、アレクサンドリアはロイを映画という物語のなかに見るのかもしれない。
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