「単純明快におもしろい映画🎬」落下の王国 4Kデジタルリマスター minavoさんの映画レビュー(感想・評価)
単純明快におもしろい映画🎬
2008年公開。公開時にはミニシアター系映画ながら、映画館大賞「映画館スタッフが選ぶ、2008年に最もスクリーンで輝いた映画」第20位に選出。カルト的な作品で配信もなかったらしい。
予告みた感じだと世界遺産で撮影した映像美とか衣装デザインが強調されてて、アート系か不条理ものかな?くらいで観に行きましたら、単純明快におもしろい映画!素晴らしかった。
子どもの頃、寝る前に親に読み聞かせをしてもらったことを思い出した。好きな話が「安寿と厨子王(山椒太夫)」だった。貴族がさらわれて奴隷になる。安寿が弟の犠牲になる。厨子王は成長して盲目になった母親と出会う。何度もおねだりをした。スコセッシが映画化する話はどうなってますか?
スタントマンが骨折して入院している。どうやら女優に振られた傷心から自殺願望がある。同じ病院にオレンジの収穫の手伝いをして木から落ちた5歳の女の子が入院してる。仲良くなったスタントマンが少女を喜ばせるために、おとぎ話をし始める。これが自己を投影した作り話で、少女の脳内の想像がスクリーンに展開される。
少女の想像力がすごい絵面になる。いいシーンで少女が筋書きに文句をつけたりするのが楽しい。お話が悲しくなると泣いちゃう少女も可愛い。
後半、作り話が現実とリンクしてくる。作り話に少女自身が介入する。ここでこの映画のひとつめのテーマが、父と娘の関係性ということがわかってくる。大好きなお父さんを助けたい子どもの気持ちが伝わる。
もうひとつのテーマは、映画が始まった頃に命をかけてスタントをこなした、過去の映画人へのリスペクト。監督の映画愛が伝わった。
無声映画の上映シーンでバイオリンが弾く曲は「ワルキューレの騎行」。監督、コッポラも好きなんかな。
共感ありがとうございました。
構想数十年、自費も投じたというエピソードは、コッポラの近作を彷彿させますね。まあ、こちらは破産なんてことは無いでしょうが。
女の子が魅力的。アドリブなんですってね。あと、監督のインタビュー読んだら世界遺産のロケ地も女の子のイメージを指差して決めてもらったと読みました。すごすぎます。
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