落下の王国 4Kデジタルリマスターのレビュー・感想・評価
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魂を救う物語の力
子どものころ、海外の昔話を収めた絵本全集が家にあり、毎晩寝る前にそれを読むのが日常で一番の楽しみだった。「落下の王国」は、そんな物語の原体験を思い出させる作品だ。
撮影での大怪我と恋人との別離に絶望した主人公のロイは、骨折で同じ病院に入院していた少女アレクサンドリアに即興の物語を語って聞かせ、彼女の気をひく。彼女に病院の薬棚からモルヒネを持って来させ、服薬によって自らの命を絶つためだ。
少女の名前からの連想だろうか、アレクサンダー大王についての語りから入ってゆく物語世界の絢爛なビジュアルは、ロイの現実の暗さとは対照的だ。主要な登場人物は現実でアレクサンドラと面識のある人々の顔をしているので、あの壮大な光景は彼女が想像したものだろう。これが本当に素晴らしい。
本作自体、ロイの物語のごとく明確な脚本がなかったため出資者が集まらなかったそうだ。ターセム監督は自己資金を投じて、CMの仕事をしたロケ地で少人数で少しずつ撮るなどしつつ、4年に渡り20か国以上でロケを行なったという。そんなインディペンデントな作品とはとても思えない映像のスケール。
石岡瑛子の衣装が、この物語の世界観を決定づけている。昔の寓話らしい雰囲気があり、それでいてどこか近未来的に見える瞬間もある。エキゾチシズムが漂い、非現実的で、この感覚は異国のおとぎ話の楽しさそのものなのではと思う。タージマハルにもコロッセオにも負けず、壮大な背景を引き立て物語のイメージを牽引する強さは、石岡瑛子ならではだ。
そうした映像のインパクトに負けず劣らず驚いたのが、アレクサンドリアを演じたカティンカ・アンタルーの愛らしさだ。いや、なんだこのかわいさは。こんなかわいい子からお話をせがまれたら、ロイみたいな下心がなくてもいくらでも語ってしまいそうだ。
重要な役どころをあんなに自然に演じていたのに、当時全く演技経験がない5歳の子どもだったというから驚く。パンフレットのプロダクションノートを読むと、監督の演出の妙だなと思った。カティンカが女優としての自意識を持たないうちにアドリブで撮影する、彼女の勘違いも演出に生かす(モルヒネのEを3と勘違いするエピソードは実際のカティンカの勘違いから生まれた)など。是枝裕和並に子役の活かし方が上手い。
ラストの、サイレント映画のスタントシーンのラッシュで流れるナレーションは、撮影から数年経ったカティンカがなんと即興で当てたものだそうだ。いや、すごい。もう1回観たい。
観る前は宣伝のイメージだけで、もろアート系の難解な映画だったら寝てしまうかも、などと思っていたのだが、よい意味で予想を裏切られた。ロイの即興とアレクサンドリアの想像が織りなす美しいおとぎ話、さらにその背景には、絶望に堕ちたひとりの青年の再生の物語があった。
ロイの語る物語が魅力的なのは、その裏に死をこいねがう彼の心があるからだという気がした。足が不自由になった彼は、アレクサンドリアを惹きつけ、言うことを聞かせなければ死ねない。「アラビアンナイト」のシェヘラザードとはある意味真逆の動機だが、死を希求する心が物語に命を宿らせるというのは皮肉めいていて、なんだか切ない。
ところが、アレクサンドリアとやり取りをしながら物語を紡ぐことで、物語の展開もロイ自身の心も変化してゆく。少女の無邪気さに心を開き、悲劇を頑なに拒む彼女の純粋な思いに触れ、彼は生きる力を取り戻すのだ。
ターセム監督は、自身の失恋がきっかけで、20年ほど構想中だった本作の製作に動き始めたという。ロイの失恋は、監督の経験を反映させたものだ。
モノクロ映画のスタントのコラージュシーンは、ロイのスタント俳優としての復活を想像させると同時に、この映画を作ることによって失恋の痛手を癒した監督の心から溢れる映画愛、現代の映像表現の礎となった先人へのリスペクトをも感じさせる。物語の筋と直接関係ない映像なのに何故かぐっときた。
ロイはアレクサンドリアとのやり取りによって紡ぎ出した物語に救われ、「これを作らずには息もできませんでしたし、私は生きていけませんでした」と語るターセム監督は「落下の王国」という物語に救われた。
本作の圧倒的な映像美は、言葉よりもはるかに雄弁に物語の持つ救済の力を語る。この印象と感動は、映画であればこそ。
抽象的な
フォールガイを思い出しました。
絶望おじさんと幼女の
病院での交流。
現実とおとぎ話を交えて進行していく。
美しい世界遺産がズラリと出てくるのは圧巻である。
死にたい男が幼女をたぶらかして毒薬を持ってこさせるうちに打ち解けて、
癒やされてお互いが必要な存在となり復活するというありふれたストーリー。
そこに色彩豊かな街並みが出てきてうつくし映像映画、となるわけだ。
何か人が多かったがメディアで取り上げられたのかな。
2008年の封切りの時には観てなかったなぁ。
そういう意味では色あせてない。
転職して3年目ぐらい、忙しかったのかも。
スレたのは自分だゎ。
なにより子役が典型的な美少女じゃないのが良かった!
これが、イケメンのロイと“美少女”が紡ぎだす夢想世界の話だとすれば、それは凡庸のそしりを免れない。何もかも美しくては、話が飛躍しない。ちょっぴりおデブで愛嬌たっぷりのアレクサンドリアが現実パートに“居る”ことで夢世界への飛躍感が増してくる。
院内で何気に不気味なレントゲン技師、胎児の標本、吐息だけが聞こえる美人看護士の情事などのシーンは面白かったけれど、ロイの画策で得た『モルヒネ3錠』のオチは特筆すべきものでもないように思えた。
彼の地の薫り、風の色!
こんな風景が本当にあるのかと思えるほど曠野が美しく撮られ、空は限りなく透明に近いブルー(陳腐か)そしてなんと言っても、あの様式美!場面のどこを切り取っても美しく、衣裳は勿論、景色の中での人物配置も完璧に計算し尽くされている。
世界中のロケ地の中では、特にバリ島のケチャックダンスが呪術的な躍動感があって、観光で見に行った時の何倍も迫力があった。
作り話の夢想譚の筋書きに深い意味はなく、ロイ自身が落下事故や失恋の痛みにからめとら れているせいで、復讐の活劇が、至る所で落下や死に脚色されてしまうが、バッドエンドが嫌だというアレクサンドリアの無邪気さが割り込んで来て、自殺願望しかないロイの心に変化が起き、自身の再生をうながされるというストーリー。
少し、ありきたりなエンディングだが、実際、絶望の淵に落ち、自死をも辞さない人間が、無垢の魂に触れて、ハッとして“気づき”を得ることはあるはずだ。
ラスト、一転、モノクロの無声映画でゆる~いワルキューレで結んでいるのも好感が持てた。
星が足りない
星5つなんて失礼なくらい良かった!!
ポスタービジュアルに惹かれて鑑賞。たまにある、話のよく分からん視覚で楽しめ系映画だと思ったら、予想外に物語が良くて久々に泣いた…
話は、右腕骨折で入院中の少女が、同じく入院中のスタント俳優と出会う。彼が語る仮面の山賊の復讐物語に夢中になって、お話の続きを聞くために彼の望む「眠れる薬」を手に入れようと動く…といった所。フィクションと現実が次第に混じり合う感じ、無垢な子供が冷たい死や絶望、お伽噺のようにはいかない現実と邂逅する点で『ミツバチのささやき』を想起した。
整った顔立ちに輝く瞳のアナ・トレントに対して、歯も間もちょっと抜けたアレクサンドリアは素朴な可愛さがある。ミツバチと言い、本作と言い、些細なことで死んだり、罪を犯したり、心に取り返しのつかない傷を作ってしまいそうな子供の危うげな姿にこうも見入ってしまうのはなぜなのか?我々がかつて子供だったからというより寧ろ、子供じゃなくなったからなのかもしれない。歳を重ねるごと子供が苦しむシーンは見ていられなくなってる気がする。
ロイの発狂、足を滑らせた後、拷問のような痛みの中で父の死のトラウマを蘇らせるシーンは心が痛くて涙が出た。
何もかもがどうしようもなく辛く絶望的でも、ただ好きな人に生きていてほしいというアレクサンドリアの思いに絆され、ロイは自殺をやめたみたいだが、あんなスタントを繰り返してれば遠からず死にそうだ。切ない。本当に罪深い魅力のある映画。感動しすぎて批評とか解釈の余地はない。DVD下さい…
至高の映像美。しかもストーリーも泣ける
予告編を見た時から、映像の美しさに一目惚れしました。
絶対に自分の好みの映画だ!!と感じたので、
公開をものすごく楽しみにしていました!
観る前のイメージとしては、
ストーリーは難しくてわかりにくいという感想をちらほら見かけたので、
映像に力を入れた作品で、あくまでストーリーはおまけなのかなーと思っていたのですが
映像美だけでなく、ストーリーも物凄く良かった。
個人的には、難解とは感じなかったです。
「現実編」と「おとぎ話編」が交互に展開されていく構成で、
だんだん現実とおとぎ話が重なり合っていく過程が見事でした。
終盤、涙腺が本当に危なかった。
泣く映画ではないと思うんですが、色々思い詰めた人とか、
癒えない傷がある人とかには、結構クるストーリーだと思います。
色々な国の景勝地や世界遺産がバンバン出てくるので、撮影は大変だったと思います。
そして独特な衣装も見どころ。
アート映画として素晴らしい完成度なのに加えて、ストーリーも良いです!!
心に残る名作でした。
そんなに
映像は確かにきれいだったけど、昨今のデジタルで作られた映画やドラマを見慣れた目にはそこまでは…、という感じ。世界中の世界遺産の遺跡が出てくるのだけど、あまり物語にどうしても必要というわけでも歴史的な必然性もなくて、マジックリアリズムなストーリーも自分はそんなにのめりこめなかった。衣装は凝ってたけど、動きにくそうとかそうはならんやろって思ってしまった。夢の中のような話なので突っ込むのは野暮だけれども。
史跡の非現実間と石岡瑛子デザインの衣装が空想上の物語という状況にマ...
素晴らしい!
圧倒的な映像センス・風景・衣装が素晴らしい! 「ビジュアル」と「スタント」(落ちる)という「映画の原点」へのオマージュ
素晴らしい!圧倒的な映像センスで語る、「ビジュアル」と「スタント」(落ちる)という「映画の原点」へオマージュを捧げた作品。
オープニングのモノクロのビジュアルからして画面の画力、絵の語る力が強い。
監督はきっと、映画の主人公の少女の視点のように、
小さいことにも、常に子供のような好奇心を持っているのではないか。
まるでカメラのように、ドアの鍵穴を通して、景色が天地逆に壁に映し出される場面でも、それがわかる。
男から語られる想像の物語の映像センスは、圧倒的なものがある。
「13の世界遺産24か国以上」のロケ撮影、「ドラキュラ(1992年)」でアカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した石岡瑛子の衣装デザインが素晴らしい。
これだけは、実際に観ないとわからない。
そして、その物語は、ただストーリーを語るものではなく、あくまでも、少女に聴かせるために話している。
そのために聴き手の反応をみながら、話しながらそのディテールも変わっていく。
最初はある目的のための話が、あることをきっかけに、男の現実の心情を過大に反映させ、悲劇に落ちていく。
やがて少女も物語に入り込み巻き込まれながら、その世界を救おうとするが・・・。
この展開で、小さい女の子が追い詰められていくために、本当にかわいそうになってくる。
単なるファンタジーではない残酷な世界。
ここにも単なるビジュアルだけではない物語が作られている。
どうしても映像に目が行くが、実は、タイトルバックにもある「落ちる」ことに代表されるスラップスティック・コメディの始祖に対するリスペクトが、もうひとつのテーマだった。
物語を語る男も、聴く少女も、「落ちて」入院した。
そして、エピローグではストレートにそれが語られる。
意外やこれまでの中に数々の伏線が、ちりばめられていたことにも気付かされ、納得する。
ここもうまい。
観る世界遺産!
石岡瑛子さんの衣装と珠玉の世界遺産でのロケハンの悪魔合体、圧倒的なビジュアルの美しさに脳味噌が焼かれてしまった!
参った。ここ数年観た映画の中で最上位の一つになりそうな本作!
序盤の黒山賊一行が集まるナミブ砂漠のショット。金色の砂漠と青空のショットの美しさだけで100億点!
タージマハル、チャンド・バオリ、ファティーブル・シークリー、ジャンタル・マンタル、シティパレス、etcetc…….
世界遺産と舞踏のようなアクションシーンの組み合わせも見どころ。
とはいえビジュアルに全振りの映画では全くない。
次第に御伽話と現実が深く交わるようになるプロットにより、自分も御伽話を早く聞きたくてウズウズするようになる(アレクサンドリアのように)。
終盤、アレクサンドリアがロイを説得して物語の結末を改編するシーンには心を掴まされた。
特にアレクサンドリア役のカティンカ・アンタルーちゃんの演技は、珠玉の御伽話シーンに負けず劣らずの終始魅力的だった。
観たこともないお客さんでいっぱいだった
映画全然見てない頃の映画。断片的にいろんなところで見ていたが通しで見るのは初めてかもしれない。ユージュアルサスペクツ以降の壮大なホラ話ブームがあったのも影響あるのかな。
しかしそれをこれだけ徹底した美意識で遂行できてるのは監督はもちろんプロデュース陣も凄い。交渉大変だったろうな。石岡瑛子の衣装はもちろん素晴らしい。
ほぼアートな戦隊モノ。そして若干撮り方もホドロフスキーやパラジャーノフも混じってる。そして最後はニューシネマパラダイス風なものにまで流れていくサービスぶり。
しかしBunkamuraの休日最終日にこちらも見たことのないような客層でいっぱいになっていて何が起こっているのだ、と思った。明らかに客層が違う。この人たちはいつもはどこにいるんだ? 是非とも新しい映画ファンを獲得してくれればと願う。
Fall in love with movies
モノクロで始まりモノクロで終わる映画。モノクロに挟まれる映像は茫然とするほど美しいカラー。たくさんの落下を私達は見る:葉っぱ、オレンジ、お手紙、入れ歯、水滴、最後の大事なお水、橋から馬から高い塔から落ちる人、ネックレスも落ちる、モルヒネの入った小瓶が落ちる、階段から落ちる、矢がたくさん落ちてくる、帽子が落ちる、水の中へ落ちる、子どもが落ちる、お薬の部屋で。
美しい映画なんだろうと想像していた。もちろん美しい。衣装の色彩とデザインの美しさは石岡瑛子さんだからこそ。その美しさが俳優すべてを物語の人物にしていた。そしてたくさん笑えた、アレクサンドリアとロイのおかげで。たくさん泣けた、同じく二人のおかげで。笑えるなんてひとつも期待していなかったのに。主要モチーフの音楽はベートーベン第七番第二楽章(これは重い)。最後はワーグナーのヴァルキューレ(これはシリアスでも重々しくもなく無声映画の伴奏として軽やかに楽しく🎶)、なんて素敵で変で面白いんだろう。
人間には物語が必要なんだよ、映画の醍醐味はハラハラドキドキ、笑う、泣くなんだよ。グーグリ、グーグリ・・・;美しい蝶アメリカーナ・エキゾティカが島になった!
単純明快におもしろい映画🎬
2008年公開。公開時にはミニシアター系映画ながら、映画館大賞「映画館スタッフが選ぶ、2008年に最もスクリーンで輝いた映画」第20位に選出。カルト的な作品で配信もなかったらしい。
予告みた感じだと世界遺産で撮影した映像美とか衣装デザインが強調されてて、アート系か不条理ものかな?くらいで観に行きましたら、単純明快におもしろい映画!素晴らしかった。
子どもの頃、寝る前に親に読み聞かせをしてもらったことを思い出した。好きな話が「安寿と厨子王(山椒太夫)」だった。貴族がさらわれて奴隷になる。安寿が弟の犠牲になる。厨子王は成長して盲目になった母親と出会う。何度もおねだりをした。スコセッシが映画化する話はどうなってますか?
スタントマンが骨折して入院している。どうやら女優に振られた傷心から自殺願望がある。同じ病院にオレンジの収穫の手伝いをして木から落ちた5歳の女の子が入院してる。仲良くなったスタントマンが少女を喜ばせるために、おとぎ話をし始める。これが自己を投影した作り話で、少女の脳内の想像がスクリーンに展開される。
少女の想像力がすごい絵面になる。いいシーンで少女が筋書きに文句をつけたりするのが楽しい。お話が悲しくなると泣いちゃう少女も可愛い。
後半、作り話が現実とリンクしてくる。作り話に少女自身が介入する。ここでこの映画のひとつめのテーマが、父と娘の関係性ということがわかってくる。大好きなお父さんを助けたい子どもの気持ちが伝わる。
もうひとつのテーマは、映画が始まった頃に命をかけてスタントをこなした、過去の映画人へのリスペクト。監督の映画愛が伝わった。
無声映画の上映シーンでバイオリンが弾く曲は「ワルキューレの騎行」。監督、コッポラも好きなんかな。
点数なんか点けたくないんだ本当は
公開当時、おすぎさんがCMやってたし
劇場の予告編だけでも、そのとんでもない壮大さが伝わって、絶対に観ると決めていた作品でした。
リー・ペイスのイケメンぷりとカティンカちゃんの可愛いさも相まって人生のベスト3に入る作品
Blu-rayも持ってるし!
だが、しかし、
当時劇場で観たのか?とか、どの映画館で観た?のかとか、詳細が全く思い出せない笑
でもね、この作品がとてつもなく素敵で
ストロングである事は、今回のリバイバル上映で証明されたと思います。
弱くて脆くて儚いけれど、それを超えてまで伝わってくるのは愛、まではいかないか、
アレキサンドリアのロイを好きっていうシンプルな気持ち
私が言うまでもなく、どの劇場も連日満員
公開3日でパンフは軒並完売
いやあ、まさかここまでとは!
これを機にBlu-ray再販したらいいよ!
ていうか廃盤なってたなんて信じられん!
追加されたのは最後のシーンかな?
当時は、最後のフィルムにロイが居るか居ないか論争が巻き起こってたけど、ちゃんと答え合わせできたね
それから特典映像の中に入ってるんだけど、
撮影中、
リー・ペイスはずっと車椅子で、本当に歩けないんだと説明されてたカティンカちゃん。
クランクアップの時に、ネタばらしされてびっくりしてる姿が見れます。
確かレンタルのBlu-ray版の方に、3.4時間超の特典映像が丸々ついてたはずなので、TSUTAYAで探してみてください
映像はきれい。ストーリーも良い。でもなんか足りない。
初見。上映館が少なく評判も高いため、振り替え休日の今日は満員札止めに。全般に若い女性客が多いのは雑誌等で取り上げられたのか、目の肥えた映画ファンが増えているからか?
前列の客の頭が画面下にかかり最初から最後までストレス。それもあってか私はあまり面白い作品とは思えなかった。
エンドロールに表記されたロケ地が十数カ所。目を瞠るような美しい風景がバックに展開する。目玉である石岡瑛子のコスチュームも素晴らしい。でもその風景と人物が組み合わさったショットは空間配置にしてもカメラの動き、ショットの長さについても意外と凡庸。ぶつ切れでタメがない。そして役者も、子役を除いて魅力がない。皆、衣装に負けて、コスチュームショーみたいになってしまっている。芝居になっていないのです。演出にも問題はあるんだろうけどせっかくのストーリーがまるで心に迫らない。
でも最大の問題は「Th Fall」いうタイトルを掲げているものの落下のエクスタシーが全く表現できていないこと。ブライアン・デ・パルマや宮崎駿を引き合いにまでもなく、映画作家にとって落ちるベクトルは左右の動きと異なり異次元に入ることを表すし、それはある程度エロチックであるはず。わざわざタイトルにつけたということはそのあたりを期待したのだが単に「落ちて痛い」っていう説明だけでした。
とにかく美しい
全43件中、1~20件目を表示
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