「音楽は救いにならないのか」Ryuichi Sakamoto: Diaries minavoさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽は救いにならないのか
坂本龍一さんががん告知を受けてから亡くなるまで、約2年間のご本人の日記、自撮りなどを元に編集した映像。
がん告知前に、ニューヨークの自宅の庭にグランドピアノを設置する。ピアノが自然に戻る様が見たいと言う。
基本的に日記の短文を田中泯さんが朗読しつつ、ご本人の映像がインサートされる他は、観客に委ねる構成。唯一、亡くなるまであと1年みたいなテロップがはいるのみ。
結果的に日本で晩年を過ごされるが、震災支援の社会活動のオーケストラ指導以外は、孤独感がつきまとう。
孤独の中で音楽に向き合い続けるが、音楽が救いにならないことが描かれる。未完の曲は、病床で癒しになった雨音のような現代音楽だった。ノイズのようでもあり映画音楽のようでもあった。
フォーカスされない日記の端に「怪物」の文字。サラッとカメラが本棚を移動した時に、武満徹さんの全集が映る。
ニューヨークの庭でポツンと朽ちていくピアノが、どうしても坂本さん自身に見えてしまう。
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